Year: 2017年

「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」2017


1995年よりフランスのナントで開催されているラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)の日本版、2005年にスタート。フランス同様、演奏家の選出や演奏会の選曲はルネ・マルタン(フランス語版)によって行なわれている。
『一流の演奏を低料金で提供し、明日のクラシック音楽の新しい聴衆を開拓する』というコンセプトのもとに、選曲はクラシック初心者から上級者まで楽しめるよう。また 幼児や子供が入場できる公演もあり、家族でクラシック音楽を楽しむことができる。

2017年のテーマは「LA DANSE ラ・ダンス ー舞曲の祭典ー」中世から今日まで600年間にわたるダンスと音楽の密接な関係をたどります。ワクワクするような生命の躍動感と舞曲の爆発的なエネルギーが、会場全体にみなぎることでしょう!

「ラ・フォル・ジュルネ(熱狂の日)」東京2017 2005年から
丸の内 国際フォーラム メイン会場
2017年5月4日(木・祝)5日(金・祝)6日(土)

http://www.lfj.jp/lfj_2016/

ラ・フォル・ジュルネびわ湖2017 2010年から
びわ湖ホール
2017年4月28日(金)【前夜祭】、29日(土・祝)30日(日)【本公演】

https://www.biwako-hall.or.jp/performance/2016/12/27/2017-5.html

ラ・フォル・ジュルネ新潟2017 2010年から
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
2017年4月28日(金)・29日(土・祝)・30日(日)

http://lfjn.jp/lfjn2017pre/


ベートーヴェン ピアノソナタ32番ハ短調作品111(最後)


ベートーヴェンはピアノソナタを32曲残した。ここには 13歳ごろの習作 選帝侯ソナタの3曲は含まれていない。ベートーヴェンの特徴として 32曲のソナタは 時代系列に作曲され 生涯中 多くの割合をしめる。これは ショパンのマズルカにも似ている。19番ト短調 20番ト長調 はソナチネアルバムに収録され親しまれている。

例えば 第1番は作品2 1795年 ベートーヴェン 25歳の作品。モーツァルトの時代には 3楽章形式であったが 4楽章に拡大されている。

私のなかでは ピアノソナタ第7番ニ長調は大学の試験曲で 取り組んだ。その他、第8番「悲愴」14番「月光」17番「テンペスト」第21番「ワルトシュタイン」23番「熱情」第26番「告別」30番 31番 32番など 弾いてみた。好きな作品は「テンペスト」「熱情」31番 32番である。

32番 最後をしめくくるソナタは、1822年 52歳。「第九」「ミサソレムニス」の作曲の時期と同じくする。この後のピアノ作品は「ディアベリ変奏曲」だが ピアノソナタには 戻ってこなかった。
「2楽章のソナタ」に首をかしげるかもしれない。アダージョは スケルツォは メヌエットは・・・
ベートーヴェンが探し続けていたものが 1楽章 フーガを取り入れた楽想だった。(7分)

ベートーヴェンは 「音楽家は神に近い存在。神の声をきき作曲する。」耳は聴こえなくても 写譜するものに
音の表現をひとつひとつ声を出し 的確な指示を出すことが出来た 大作曲家であった。

第1楽章は これまでのものを凝縮したような手法。それぞれの重音をパートに割り振らせば、弦楽四重奏で演奏できるかもしれない。バッハの晩年の傑作「音楽の捧げもの」は、楽器指定をせず、表現できるようにとしたのだが それを考えたのでは。「ピアノソナタ」を超える弦楽四重奏のイメージがする。ちなみに ベートーヴェンの好んだ デミニッシュの和音が使われている。古めかしい形式を重んじながら 現代音楽の一途をたどるベートーヴェンである。

https://youtu.be/M2beoK2wSng

第2楽章は変奏曲(長調の8小節と短調の8小節が主題)バッハのゴールドベルク変奏曲も主題が前半と後半に分かれている。素朴な主題を展開してゆく、マイナーの部分は 寂しさもある。

出版社は「ベートーヴェンは気が狂ったような2楽章を書いた ジャズのスイングのような楽想は何だ」「滑稽で こんな曲を誰が買うのかね」と批判した。それが この部分。

「嘆きの歌」の部分、「深い森」に籠ってしまう。ベートーヴェンの哀しみというのは 人生の重み 全人類の重み「とても哀しい一節」。人生は美しい。(espressivo の表記から)

32-2-e_t

乗り越え突き進むベートーヴェン。高音部のささやきのような音型。最初の主題が回帰され 天国に昇り、降り立つような音型が印象的。「ピアノ」という楽器を超えた 弦楽的な響きのファンタジーと私は思うのである。

32-e_2

この後に何か残る。いや 残さない。そう思える。ベートーヴェンは まさしく 32曲のピアノソナタで筆をおいた・・・


2/12(日)15:00 弾き初めライブ 新宿 日本アコーディオン協会


恒例の「アコーディオン弾き初めライブ」で少し演奏します。
■ 総 会:2017 年2 月12 日(日)12:00-14:30 ■ 弾き初め大会 15:00-17:00
■ 会 場:芸能花伝舎1- A 東京都新宿区西新宿6-12-30 東京メトロ丸の内線「西新宿駅」徒歩6分
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会 ■ 参加費:3.500(弾き初め、食事、飲み物含む)
申込 日本アコーディオン協会 事務局 03-5909-3187 メール jaaoffkw@npo-jaa.jp

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NPO法人になってから 一年に一度の「総会」が2月に開催されます。総会は 会員の意見をとりいれる議場 遠方からの参加の方もあります。総会終了後は 恒例の「アコーディオン弾き初め大会」フード・ドリンク付きで アコーディオンを楽しみます。

第7回JAA国際アコーディオンコンクール&音楽祭を2017年10月8日(日)9日(月・祝)開催。


1/22(日)13:00~AAA「新年会」アコーディオン


1/22(日)13:00~ AAA(全関西アコーディオン協会)主催「新年会」どなたでもご参加できます。
詳細は 杉村 090-8484-6039まで。会費をいただきます。

会場:アサヒスーパードライ梅田 大阪市北区西天満4-15-10 あいおいニッセイ同和損保フェニックスタワー地下1F JR大阪駅より徒歩10分 「梅田新道(うめだしんみち)」

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1月 5月 8月 11月 ユニットコンサート 年4回の行事を定期的に開催 主催行事として
歴史ある 「西日本最大のアコーディオンイベント」 ビバ・アコーディオン31回を迎えます。

懇親会は 老舗のビアホール。150名ほど入るステージ。
あなたもアコーディオンの伴奏にのせて歌いませんか?


1/29(日)14:30 ボランティア体験フェア 演奏


第20回 ボランティア体験フェア2017 で演奏します。

1月29日(日)午前9時30分~午後3時 市健康福祉センター 多目的ホール 3F

第20回ボランティア体験フェア 総勢 1000名近くの入場を誇る
市内でも指折りの 中規模のイベントです。

ボランティア連絡協議会 約20の団体 社会福祉協議会登録団体 などもエントリーし
発表 体験 パネル展示 などで ボランティアを身近に感じていただけるように企画しています。
例えば 小学校のボランティア3校の発表や 食事ボランティアにより うどん おにぎり パン などの出店。子どもたちのスポーツボランティア・・・

私たち ベローズフェロー(じゃばらなかま)は 発表コーナーの最後 午後2時40分 出演予定です。20分程の演奏を予定しています。


正月明け


2017年 正月明け はじめてのご挨拶となります。どうぞ よろしくお願いいたします。

古刹 道成寺 本尊は 国宝 千手観音。日本最古のひとつ、静かに手をあわせました。たくさんの手と道具で困っている人を救おうとなさる姿で、慈悲心の大切さを表している。「人のために何かしよう」という勇気を分け与える姿。あらゆる方法で人々を救う。正式名称は千手千眼観世音菩薩。1本の手に1つの眼が刻まれていることに由来し、千の眼は人々をしっかりと見て導くという意味がある。

天音山道成寺は大宝元年(701年)に、聖武天皇の母にあたる藤原宮子の願いにより文武天皇(683-707)が創建したともいう。 講堂のご本尊として千手観音像(奈良時代・重文)をまつる。
日本で最初か二番目の千手観音様で、1300年たつ。
安珍・清姫の物語 延長6年(928年)夏の頃の話。参拝の途中、一夜の宿を求めた僧・安珍に清姫が懸想し、恋の炎を燃やし、裏切られたと知るや大蛇となって安珍を追い、最後には道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺すという。「法華験記」(11世紀)に記され、「道成寺物」として能楽、人形浄瑠璃、歌舞伎で知られている。
道成寺の初代の鐘は、平安時代に安珍と清姫の事件で焼かれたとされた。二代目の鐘は、天正13年(1585)の雑賀攻めの時に持ち去られ、その二年後に京都の妙満寺に奉納された。以来、道成寺には釣鐘はない。三代目を作ると二代目を大事にしていないことになる。妙満寺へ行けばいつでもお参りできる。「心の鐘をつく」道成寺。
三重塔 県指定重要文化財
宝暦13年(1763)再建 創建時の塔があった所にこの塔が再建。高さ20m、総桧造り。
本堂 重要文化財
承平12年(1357)再建 南北朝時代、昭和63年から平成3年にかけて解体修理が行われた。
仁王門 重要文化財
元禄4年(1691)建立 昔能楽「道成寺」の乱拍子を生んだとされる六十二段の石段と仁王門。重要文化財創建時の中門にあたる場所に建っており、中門の左右には複廊式の回廊が取り付けられていた。

御参りしたあと 会食・・・ 健やかな一年を通せるように。


ショパン/ピアノソナタ第2番「葬送行進曲付」


ショパン/ピアノソナタ第2番変ロ短調 作品35「葬送行進曲付」

フランスの社交界 サロンの音楽として洗練された ショパンの世界 憂いもある。

ショパンは ピアノソナタという形式に こだわっていなかった。
習作時代 17歳に ピアノソナタ第1番がつくられたが 生前出版はされなかった。この作品は 遺作となり 欠番となっていた 作品4に おさまった。なお、「葬送行進曲」は 1837年に作曲していた。マリアとの別れによる絶望がこの曲を書かせたのか。デルフィーナ・ポトツカとの恋とは 明らかに違う感情を往復させていたと思われる。

ショパンは ピアノ協奏曲の世界に夢中だったのかもしれない。事実 エチュード(練習曲)は、
コンチェルトのある箇所をモティーフにして曲ができているから。しかし ショパンのなかでは バラードと スケルツォなど 性格的小品の作品群を考えていたようだ。すでに、ピアノソナタは ベートーヴェンが32曲発表していることから シューベルト以降 ロマン派の作曲家は 性格的小品の世界へ投入することになる。シューベルトの後期 ヘ短調即興曲は ソナタとみることができるとシューマンは説いた。
ショパンは 24の前奏曲集 作品28 を作曲し スケルツォ変ロ短調 作品31 を完成させた。マリアと別れ ジョルジュサンドと共にしていく。次なる世界として 強力なメッセージの「葬送行進曲」

変ニ長調は柔和であるが その短調は 嫉妬深く 少し陰鬱な感も望めない。さらに このソナタは
半音階を多様、Ges ⇔F 、Des ⇔C  、B b⇔ A(旋律短音階)が 雰囲気を醸し出している。

変ロ短調に関連させる序章 スケルツォ フィナーレを新たに作曲し まとめたのが ピアノソナタ2番である。最初から ソナタをつくるつもりがあったのかどうか。シューマンは 「乱暴な4人の子供をソナタの名で無理やりくくりつけた」と評価した。たしかに 1楽章の動機と 2楽章の主題に 関連性はみあたらず 疑問が残る。が、3楽章 4楽章の 半音階のモティーフは関連性がみえるともとれる。

この曲は 協奏曲 に次ぐ 練習曲 数曲に匹敵するほどの難易度を誇る。パワーも必要だ。ショパンの作品のなかでは FF PPの対比がよく現れていて 聴きごたえがあるが リサイタルでの全曲演奏の機会が少なく ショパンの真価を伝える演奏を期待したいところ。

この曲を聴くと スペインの マジョルカ島 バルテモサ カルトゥハ修道院に 厳しい冬 住処としていた ショパンの姿を思う。ジョルジュ・サンドとの生活は ショパンの体にどれほどの影響を及ぼしたのだろう。「陽だまり」は、ショパンにとって 名曲を生む動機となった。

私が思うに 24の前奏曲集作品28と ソナタ2番「葬送」は どこか 音の扱い方に共通点がみられる。もしかすると ピアノ協奏曲の演奏のための 訓練として書かれた「練習曲」を作曲しているときに ショパンは新たな音の世界に気づいたのかもしれない。

素朴に詩的な作品群「前奏曲」が薔薇の香りを包んだものになったことをショパンは知っていた。「雨だれの前奏曲」も ここでつくられたのだ。

第1楽章「Doppio movemento」 2倍の速さで 動きを以て 序奏は劇的だ。これから 何かがはじまる・・・
ここでのポイントは 半音階のスライド。21小節からの動き。

続いて コラールの部分 変ニ長調 ショパンが好んだ調性 黒鍵を多用する。柔和な楽想。ここでも 半音階の伴奏音型が出てくる。

中間部 コラール風の楽想は ペダルにより せきこんで クレッシェンドし
鬼気迫るFF メロディアスでなく 感情を爆発させている。

右手が動機で力強く、左も動機でその絡みつく。ショパンの天賦の才能が発揮される。最初に出てきた半音階型の分散和音が彩りを添える。
リズムにアクセントがついていてこれが重要。低音のベースの動きが大切。響かせる。

再現部 移調し 主題をうたう コーダは、クライマックスを築く。終止形は 次の楽章への準備も。

第2楽章「スケルツォ」 ベートーヴェンはシンフォニーで使い「冗長でおどけた楽想」とされているが、ショパンのスケルツォは、「強烈な皮肉 瞑想と 感情を爆発させた音楽」 鋭い感性を要する。
左手の伴奏音型 Es E   ,Gis G は 半音階を使っているが 関連性は不明である。

中間部のコラール 歌謡性のメロディー 瞑想的でもある。

第3楽章「葬送行進曲」幼少の時にテレビゲーム「インベーダー」が流行ったが ゲームオーヴァーの音楽がこれ・・・ゲームのなか 速度が増しインベーダーが襲ってくる時の「連続4音」は 英雄ポロネーズの中間部 ベースの音。まさか ショパンの音楽を聴いていたとは。左手の音型の中でも F G♭の半音階が印象づけられる。1楽章の半音階と関連している。

中間部は コラール 静かにうたいあげる。行進曲とは、対照的。

第4楽章 presto 嵐のような楽想。オクターブのみ。無窮動は バッハの 平均律 プレリュードでもある。ショパンでは 練習曲の 作品10-1 10-2 25-1 25-6 25-12 ・・・ アルペジオ奏法からハーモニーを見出す。しかし この楽章をどう理解するのか。「前奏曲第14番」を参考にするとよい。この音に耳を傾け ショパンの真の吐露を見逃さない事。

最後から11小節目より 動きと和声が複雑。不思議で、ショパンにしか書けない作品。

以下は 前奏曲第14番