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ザ・シンフォニーホール マーラー「復活」出演の事 2017.6.11


ザ・シンフォニーホール マーラー「復活」出演の事 2017.6.11 オーケストラ千里山第25回演奏会

マエストロ(指揮)の 井村誠貴氏は 華麗な指揮ぶりで 全体の統括 そして絶対的な信頼を集める。本番の集中力 繊細な入りの指示と 爆発的なダイナミクスの指示は 神がかり的 エネルギッシュで オーケストラとホールを聴衆と合体させた。

合唱団としては、4月中旬にオーケストラの方からお声かけがあって 大変貴重な機会だと心得、参加を決めました。20年前に合唱団に所属し唄っていました。モーツアルト レクイエム ヴェルディ レクイエム ロッシーニ ミサソレムニス ベートーヴェン 第九 ヘンデル メサイア シューベルト ミサ バッハ コラール、日本の合唱曲を唄っていましたが暫く休止していました。今年2月のサントリーホールのメサイアコーラスの出演をきっかけに始まりました。今回、合唱団としての練習は実質、5月下旬からの週末を中心に4-5回と前日、当日でしたが、集中して取り組みました。ドイツ語特有の発音(a e o などの母音)子音をたてて発音する事など 基本を大切に音とりデータを毎日、復唱しました。自分でも高めていきましが、やはり合同練習参加は大変重要だと悟りました。よい経験をさせていただました。今回、合唱団に参加されている方に話を伺いましたが、オーケストラバックに合唱される方はそんなに多くなく「復活」の合唱は 特に貴重な機会とされているようでした。もちろん プロとして活躍されている方、ベテランもいらっしゃいます。そういう方とともに短期間で ひとつの共有点をめざし取り組めたことは意義が深いと考えます。

ザ・シンフォニーホールの専用入り口から入る。入館証明を受け ステージは4Fから オーケストラ ソリスト マエストロは ここから入場する。「一段盛り上がったところがステージ」。(サントリーホールは1F 左の舞台袖からすぐに舞台だった)。楽屋は機能的に配置されている。

ホワイエで声だしのあと ゲネプロ これが楽しい。本番は みている余裕などないから。合唱団は パイプオルガンのすぐ下の席 112名がここに位置する。ダンバ(場外)のトランペットもここに。オルガンの大音響 特に重低音が体に響く。それが 凄い。客席からみて 場外(舞台裏)左手のティンパニとトランペット 右手のトランペット 中央にティンパニ。右手奥 ホルン トランペット ハープなど。115名の大編成。

ヴァイオリン1st  15 ヴァイオリン2nd  15  ヴィオラ 13 チェロ 10 コントラバス 9 フルート4(ピッコロ持替),オーボエ 4(イングリッシュホルン持替),クラリネット 5(バスクラリネット持替),ファゴット 5(コントラファゴット持替),ホルン 12,トランペット 11,トロンボーン 4,テューバ,ティンパニ 2,大太鼓,小太鼓,シンバル,トライアングル,タムタム,グロッケンシュピール,鐘,オルガン,ハープ 2,声楽 ソプラノ独唱,アルト独唱,混声合唱 112(ソプラノ 36 アルト 30 テナー 25 バス 21)。※ ダンバ(場外)金管 打楽器を含む

全楽章 80分にわたるが オーケストラのなかで細部まで聴けることはそうそうない。第1楽章の「葬礼」も 今となれば 第5楽章の「賛歌」の 序奏にすぎないのだと。コントラバスの勇壮な響きのなか はじめられる プロローグだが 管楽器と打楽器の強奏される 地獄の破壊的なところと、天国的な澄んだ響きが対照的にあらわれる。通常 1楽章と2楽章の間は5分程度 休憩とある。ここで ソプラノソロと アルトソロが入場する。第2楽章は 8分の3 レントラーゆったりとした田舎の牧歌的な響き。マーラーは 毎日必ず朝散歩に出かけ 自然とたわむれる。第3楽章 スケルツォ 8分の3 早いワルツ 焦燥感もあるが 最後の方に第5楽章で出てくるテーマとの関連の部分がエピソードとして登場し(橋渡している)静かになり 第4楽章へ。

第4楽章は 5分程度だが これが大変重い。アルトソロが唄う「子どもの不思議な角笛」無伴奏で「おお紅いバラよ」と歌い出した後,舞台裏からトランペットによるコラールが奏される。これはどこかで思いだした。(ベルディのレクイエム ソロの後の管楽器のファンファーレ)福原寿美枝さんのアルト(福原さんも この部分について マーラーの美しさに何度も涙した)神々しい声にオケが穏やかで素晴らしく 癒しの時だった。第5交響曲の「アダージェット」より美しいと思う。

そして第5楽章へ とどろく序奏 すさまじい破壊力と怒り。戦慄を覚える。……最後の審判の日が近づいている。大地は震え、墓は開き、死者が立ち上がり、行進は進んでゆく。マエストロは、行進やフーガの場面でパッショナート&ストレット。この地上の権力者もつまらぬ者も、王も乞食も、進む。偉大なる声が響いてくる。啓示のトランペットが叫ぶ。恐ろしい静寂のまっただ中で、地上の生活の最後 おののく姿を示すかのように、夜鶯を遠くの方で聴く。ピッコロフルートの音色が鮮やかに鳴り響く。マエストロが 合唱に厳かな入りを指示。ア・カペラで「復活せよ。復活せよ。汝許されるであろう。」柔らかに、聖者たちと天上の者たちの合唱。アルトソロが導く。ピアニッシモ どれだけオーケストラのバランスとともに観客に響いているのだろうか。静寂で厳かな響き。

最後の合唱の直前 一旦 最弱音で弱められ 光がそこに注がれ最強音へ。「復活」を信じたもう。ヨハネ伝3章15節「彼を信じる者が、すべて永遠の命を得るためである」……すべてが黙し、幸福である。そして、見よ。そこにはなんの裁きもなく、罪ある人も正しい人も、権力も卑屈もなく、罰も報いもない。……愛の万能の感情がわれわれを至福なものへと浄化する。クライマックス ソプラノソロ アルトソロ と合唱 オーケストラ全楽器総出は 言葉であらわせない世界。「お前を神のもとへと運んでゆくだろう!」最高音のB♭(「第九」と同じ高さだが こちらは最強音で)合唱が最後を唄い終わった。ハープの細かな音から光が。

コーダ32小節。全楽器総出 鐘の音 隣でトランペットがとどろく 隣でオルガンの重低音が光輝く。立っているのがやっと。体が揺さぶられる。これが「復活」のフィナーレなのか。ティンパニの力強い連打。管楽器は E♭がよく響く調のひとつ。本当に最後、マエストロの一撃、終結。余韻は ホール全体に響きわたり 時がとまった。

マエストロは 全力を放出した。しばらく(約1分間)は動けず。その姿に心をうたれた。そして、おもむろに体を起こした。割れんばかりの拍手。
演奏会は 終わったのだと実感した。

この曲は 中途半端では済まない。全精力を使い尽くす恐るべき曲であった。この曲を練習すると 他の音楽も聴いているが 重さが違うのだ。自分自身に問いかけ 時にはすさまじい表現におののき、また天国の響きに癒された。・・・「救われたのかもしれない」

オーケストラ千里山さん ありがとうございました。

思えば レント イースター(4月16日 誕生日)を過ごしたあたりから 何かが変わっていく。

フィナーレ 全楽器のスコア ベートーヴェンの「第九」は二長調で終止している(弦楽器の響きやすい調性)マーラーは 第1楽章や第5楽章のテーマは、「運命」のハ短調を意識していた。そして コーダは、管楽器が響きやすい E♭の調性を選んだのだ。