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ショパン/夜想曲(ノクターン)第16番変ホ長調作品55-2


ショパン/ノクターン(夜想曲)第16番変ホ長調作品55-2 ショパンの晩年に近い作品。

幻想曲ヘ短調 作品49 ・・・バラード4番 作品52 ポロネーズ第6番「英雄」 作品53 スケルツォ第4番作品54 など 大規模な作品群を完成させてゆく。ジョルジュサンドとは 終わりを告げていた。そんな中で
イギリスから パリへ 「ジェン・スターリング嬢」が来ていて ショパンのレッスンを受けた事から きっかけとなったようだ。彼女は 以後 ショパンの生活を支援する。ノクターン15番 16番の 2曲は 彼女に献呈されている。

15番 ヘ短調は 謡曲風で シャンソンを連想させる。ショパンは この曲を 歌手の伴奏をしながら オブリガード等即興で演奏していたのかもしれない。

そして 第16番 変ホ長調 美しい作品。ヴァイオリンとピアノのために編曲されている。(サン=サーンスなど)
舟歌 8分の12拍子 ゆったりと揺れるリズムに楽想をのせ 丹念に織りあげていく。

中間部が もの憂い ショパンの思いが伝わってくる。生気を取り戻し 病と闘う 作曲者の 昇華される音楽の世界。

コーダの 5連符と 内声の バランス。ペダルによる 豊かな響き を感じ取って(ピアノでは出せないかな)ビブラートで震わせるような。「音楽はバランスが大事」 ショパンが、真珠を例にとり 「まとまりが大切なのです」と、語っている。

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ワルシャワ 十字架教会にある柱に ショパンの心臓がおさめられている。フランスの ペール・ラシェーズ墓地には 心臓以外がおさめられているが、魂は ポーランドへ帰ることを希望したのだ。

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カンタービレ 8分の12 のゆったりした伴奏に ソプラノが うたいあげる 中声部は オブリガード かけあいを愉しむ。

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中間部が もの憂い 彷徨う
2段目の2小節目の音は かつてない寂しさ 哀しみ・・・ショパンの思いが伝わってくる。
例えば ソナタ3番の第3楽章でも このような和声はあまりない。

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コーダへ ペダルによる 豊かな響き を感じ取って (ピアノでは出せないかな)ビブラートで震わせるような楽想。

音楽と時間をともにする・・・それは人生 芸術

https://youtu.be/IJ1fA2t-cLI