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「濡れ地蔵」水中から奇蹟


磨崖仏とは「石仏」とも。自然の岩壁や露岩に彫られた仏像。移動することができない。大概、高いところにある。たとえば、笠置寺の虚空蔵磨崖仏は日本最大級で高さ15mの岩に12mほどの磨崖仏。ここは、崖の低いところに鎌倉時代の建長6年(1254年)に彫られた高さ184cm、像高136cmのもの。背にある地蔵山から滴る水で濡れる事から「濡れ地蔵」と謂われた。地蔵山へは左側の架橋側から行けるが磨崖仏には到達できない。対岸に参道と遥拝所がある。降りる石段があるが、まだ水量があるので「濡れ地蔵」を水面からおがむ。雨の後だったので、参道の左側に小さな流れがダムに注いでいた。

昭和49年(1974年)室生ダムがつくられる。20件の集落が立ち退いた。内陸の上流の川で水量が少なく、旱魃になると農作が成り立たない。そこで、ため池やダム(人造湖)を複数つくり水を確保した。当時、地蔵山の磨崖仏を移動することが検討されたが、地質が脆いために断念したという。750年を超えてきた。

ダムは水位表が公開されている。11月~5月は水位が高く、6月から10月は梅雨や台風の時期に備え水位を低くしていて
陸地になる事がある。複数の巨樹があり、鏡池が美しい。桜の名所でもある。

慈悲深いお顔。鎌倉大仏が雨に打たれているのはしみじみ感じていたが、それ以上だ。
水中に鎮まり、また姿を表わされることが奇蹟。

この日、蒸し暑い日で陽射しが強烈。2匹の亀と遭遇・・・

 


この威容が地蔵山。変わったかたちをしていて 磨崖仏が彫られ 750年・・・ 巨樹も水中から現れる。

 

 

2匹の亀と遭遇・・・