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ショパン/「木枯らしのエチュード」練習曲作品25-11


ショパン/練習曲作品25-11「木枯らしのエチュード」

ショパン 練習曲(エチュード)は全部で27曲つくられている。作品10が12曲 作品25が12曲 遺作が3曲 有名な 別れの曲 黒鍵のエチュード 革命のエチュード 木枯らしのエチュード 大洋・・・ 遺作の3曲 難易度から前奏曲風だが 練習曲の主張をしている曲だ。

この曲は ショパンにしてみれば1821年から25年にかけて作曲された。ショパンにしてみると 長期間である。ワルシャワ蜂起のやるせなさを
練習曲作品10-12 ハ短調 革命のエチュード
練習曲作品25-10 ロ短調 徹底的なオクターブの表現は異例。激しさをみることができる。
練習曲作品25-11 木枯らしのエチュード めぐるめく右手の跳躍と左手の決定的な表現。
練習曲作品25-12 ハ短調「大洋」無窮動的な音型は 雷鳴のごとく 哀しみを湛えている。

練習曲を目指して出来上がったものは芸術性の高いものであった。最初は エクゼルシス(指の訓練の為に)と書かれてあった。これは チェルニーのように機械的な訓練ではなく、音楽的な効果を考えられたのである。バッハの平均律クラヴィア曲集をショパンは敬愛していて レッスンでもとりあげている。最良のテクストだと。

レオポルド ゴドフスキーはポーランドの作曲家 ショパンの練習曲による編曲で53の練習曲を書き上げた。
1曲だけ書くことができなかった曲。 作品25-7 夜想曲風 フルートとチェロの2重奏とピアノの伴奏を一台で表現するというもので 楽譜から読み取る表現の練習曲で ゴドフスキーも手を入れることができなかった。

さておき 私がショパンで最も好きな曲のひとつは 練習曲作品25-11 「木枯らしのエチュード」ピアノ音楽において ベートーヴェンの「ハンマークラヴィアソナタ」以上にピアニスティックな作品。これをオーケストラで演奏すると ピアノらしさがなくなってしまう。最もショパンらしい作品のひとつ。演奏を試みたことがある。右手の3、4、5の指の強化 アルペジオ5、2、4、1 手首の転回など。こんなに難しいのに、左手がコントロールし主導権を握っている。

それをさらに難しくした ゴドフスキーの編曲。この曲はポーランドの誇りである。

ポーランドは その名のとおり平らな地。ロシアやドイツに占領され、苦しめられてきた。誤解されるのだが 民族的には ポーランド語を話し ローマカトリック教の信条が「ポーランド人」。文字はアルファべートを使う。他の東欧諸国はロシアのようにキリル文字を使うが。ギリシアよりの宗教である。ぶどう・小麦を栽培し 自国のポーランド語を大切にしたきた。ホロゴーストにも遭っている。コペルニクス キュリー夫妻 ポーランドは多くの天才を生んだ。10月17日は ショパンの誕生日である。

写真は ポーランド ワルシャワ ショパン協会 オストログスキ宮殿で。

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左手と右手を交換して 編曲されている。ただでさえ 右手の半音階 5-2-4-1 の型が難しいのに それを左手でするのは 難易度が高すぎる曲。
ポーランドの誇りである。