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磯山雅氏を偲ぶ「マタイ受難曲」


磯山雅氏のこと

1946年4月30日 – 2018年2月22日、音楽学者、国立音楽大学招聘教授、大阪音楽大学客員教授。元日本音楽学会会長。

バッハの作品において 双璧とされる「ミサ曲ロ短調」「マタイ受難曲」「フーガの技法」
ロ短調ミサは、晩年バッハが残した大規模な作品として光を放っており、「世界記憶遺産」として登録された。(ドイツ国内では知られているところ。)ミサ曲は、ラテン語で典礼に従いつくられた宗教音楽である。賛美する内容が盛り込まれている。ドイツカンタータを300曲以上遺しているバッハにとって、ミサ曲は必要だったのか。しかも、4部27曲(2時間におよぶ)長大な曲で演奏される機会が少ない。つまり、典礼で使用するためにつくったのではなく、カトリックの依頼者から収入を目的に作曲されたのではないかと 私は思うのである。それも 作曲時期として、実に30年近くにおよび「総決算」となった作品。

「マタイ受難曲」 宗教音楽のなかでも キリストの受難をテーマにつくられた。バッハ以前にも作曲者はいるが。ドイツ ルター派での受難曲の歴史は バッハが作曲した。初演は1729年4月11日だった。バッハの死後、一時期、浮かばれることがなかった。マタイ受難曲は 1829年3月11日、メンデルスゾーンの歴史的蘇演があって バッハの作品がみなおされてきたのである。

磯山氏の 著作本は 人生の何十年かをかけて執筆され深淵なるものである。
NHKーFM「古楽の楽しみ」からもその深い解釈や解説によって バッハやモーツァルトの音楽に魅了された方も多いと思う。

今回、本当に痛切の極みであります。磯山氏の功績に感謝をいたします。

【3月10日更新】

バッハ研究の権威である磯山雅さんの葬儀に参列しました。平成30年(2018年)3月5日の事。お別れの時にマタイ受難曲がながれました。ワインをたしなむ遺影に親しみを覚え亡くなったと思えない信じられない気持でいます。謹んで哀悼の意を表します。

NHK-FM「古楽の楽しみ」のアンコール放送がありますので聴きたいと思います。・・・

レギュラー出演者の礒山雅さんが、2月22日に永眠されました。心から哀悼の意を表するとともに、謹んでお知らせ申し上げます。礒山さんをしのんで、3月12日(月)~16日(金)の5日間は、アンコール放送です。2011年の番組スタート時から7年間の放送の中より、バッハ研究の第一人者である礒山雅さんの名解説をお届けします・・・http://www4.nhk.or.jp/kogaku/