ブラームス「間奏曲」Op.118-2
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間奏曲(インテルメッツォ)イ長調 Op.118-2(「ピアノのための6つの小品」から)ブラームス
間奏曲(かんそうきょく)とは、間に演奏する経過的な楽曲。Intermezzo インテルメッツォ(ドイツ語)。Interlude (英語)という表現もある。entr’acte アントラクト(フランス語)の概念もそう。間奏とは、ひとつの楽曲の中で、声楽曲ならば声楽を伴わない器楽部分、器楽曲ならば主奏者(独奏者)が休止する部分のこと。古典組曲では、終曲のジーグの前に置かれる。
ブラームスらしい。組曲での終曲(ジーグ)あるいはソナタ形式の終楽章(アレグロ マエストーソ)などの決然たる重厚な音楽ではなく「気軽に聴いてください」という意味であるが、実は、そこに「比較的緩やかな速さで穏やかなファンタジーです。内面的な描写に耳を傾けてください。」というのがブラームスの想いだろう。
ピアノを弾くブラームス。手を交差させているので 作品79-2のラプソディだと思われる。
構成 アーティキュレーションについて
全体 116小節 速度標語 Andante teneramente 愛情深く
全体的に 弱音志向であるがゆえに fは思いを強く、響かせて。前半、後半は控えめに。クライマックスに思いをこめて。
発想標語の指定 espressivo calando lagato dolce un poco animato piu lento 動機や応答を丁寧に表現する。
Ⅰ 前半(1-48) A-B p pp p f p
右手の第一動機が、左手の低音部に応答3度現れる。第二動機は、E-F-E、A-B-A A-C-A 同じ音に戻るところ、抑揚をつける。
fに向かってクレッシェンドするところ大切に。dolce のところも丁寧に。低音の動きを保つ。
Ⅱ 中間(49-76)C-D-C’(クライマックス)p pp p f(クライマックス)p
回想:過去の甘い思い出、苦い思いを切なく。寂寥感もある。D 嬰ヘ長調に転じ、柔和なコラールが奏されるが、fis eis dis cis を重ね、応答されるように。
una corda 弱音器を付けて よりファンタジックに。 tre corde 弱音器を外して 幻想から現実に引き戻された感。
アパッショナート気味に思いを込め、低音に降りてくる頃、思いは断ち切れた。ここから、左手の上行アルペジオが橋渡し、氷解、融和し静けさが戻る。
Ⅲ 後半(77-106)A-B pp 1か所rf f p p 終止
rf(リンフォルツァンド)一音に向けての短いクレッシェンドは「驚きを持って」。【前半を参考に】
背景
ブラームス(1833-1897)は、創作力の衰えを感じていたが、クラリネット曲を書くことで創作力を取り戻した。そして、ラプソディ作品79を書いた頃から
12年を経て、ピアノ小品の世界に注ぐ(1892~1897年)。作品116、117、118、119 を書き上げ、(117を除き)クララ・シューマンに送っている。
Ⅰ 前半
Ⅱ 中間
Ⅲ 後半
プロフィール
- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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