「リラ・クラシック」2019.8.31(土)7:00 ベートーヴェンvol.55


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「リラ・クラシック」は、クラシック音楽でリラックスする60分。第3週・第5週 パーソナリティ マコルネがお届けします。ネットラジオ ※パソコンの方は、リンクをクリックで視聴 http://csra.fm/asx/hasimoto.asx  スマホアプリ(TuneIn Radio)。 設定でモバイル視聴 http://816.fm/?page_id=71

【曲予定】ベートーヴェン/4手のためのピアノソナタ ニ長調 Op.6
「ミサ・ソレムニス」より「アニュス・デイ」
ピアノソナタ第31番変イ長調作品110
交響曲第7番イ長調第4楽章

モーツァルトは作曲家として天才的で神童。ベートーヴェンはピアニストとして大成するが、作曲家としては推敲することにより大規模な作品が生まれた。
また、モーツァルトやハイドンよりも大胆な改革をしている。弦楽四重奏曲やピアノ三重奏曲、ピアノ協奏曲、ピアノソナタの作品に投影される。
オペラには苦労したようだ。

ピアノソナタは、第27番あたりはスランプだった。歌曲集「遥かなる恋人に」An die ferne Geliebteを作曲し、ブレンターノへの憧れを表現する。そして乗り越えてこその
第29番「ハンマークラヴィア」と後期30、31、32番の三大ピアノソナタがある。そこにはバッハの平均律の研究が垣間見られる。
あの第九やミサ・ソレムニス、ディアベリ変奏曲、大フーガも生まれた。

耳が聴こえなくなったが、イメージと音感はたしかで。各パートに一つずつ音を与えては加えていく作曲。時には、ピアノを鳴らしながら拡声器で振動を聴いたりしていた。
音楽家に絶対の誇りを持ち、神に近い存在だといった。

31番のソナタは、32番のような「悟り」でなく30番のように「水に流れる」ものでなく
「立ち止まり考え抜いたもの」答えを出したのが『嘆きの歌』だった。シンメトリックな構成でなく、第3楽章のコーダに重点を置く。

第3楽章「嘆きの歌」(Klagender Gesang)~ フーガ ~「疲れ果て、嘆きつつ」(Ermattet, klagend)~
フーガ「次第に元気を取り戻しながら」(Poi a poi di nuovo vivente)~ コーダ

フーガを取り入れることにより「横の揺れの空間」をつくり、音楽の充実をはかった。8分の6拍子は、牧歌風のパストラーレであるが、哀しみの中に浮かぶ舟歌でもある。
バッハでいうジーグとはまた違う音楽性。拡大したコーダはアルペジオで高潮し最強音に登りつめ和音で掴みとり
天を見出した・・・ なお、このソナタの献呈者は、ブレンターノ?でなく献呈者なしとなった。自分のために書いた唯一の作品といえるかもしれない。

Hélène Grimaud – Beethoven – Piano Sonata Nº31 Op110 (9分22秒から 第3楽章「嘆きの歌」~フーガ~)

プロフィール

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nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ