ショパン/前奏曲嬰ハ短調作品45


ショパン/前奏曲嬰ハ短調作品45
1841年作曲とみられる。チェルニシェフ公爵夫人に献呈。完成直後にウィーンの出版社から、「ベートーヴェン記念アルバム」に掲載する作品を依頼され、最初ショパンはポロネーズ第5番作品44を提案したが、曲が長すぎるとの事で、この前奏曲に決まった。しかしながら、メンデルスゾーンが「厳格な変奏曲」を提示している。その他の原因もあったか。1841年、ショパンはピアノ・デュオ・コンサートでリストに協力した。そして、ピアノ協奏曲第3番の創作に向かっていた頃。作品46は、演奏会用アレグロである。
ソステヌート、2分の2拍子。前奏曲というタイトルがついてるが、「幻想曲風」である。リズムらしい強拍が見られない。極めて現代音楽を予兆する雰囲気。ドビュッシーは影響を受けた。転調が素晴らしい。Gis E Dis Cis E Fis Gis 和声の構成音と旋律が絶妙。
この音楽は、PPからFまでだが、弱音志向が強いので柔軟かつ、音の粒を揃えてかつ瞑想的に。透明感溢れ、倍音をよく聴き、ペダルの効用が左右する。
幻想的なカデンツァ。協奏曲第2番2楽章に出てくるものが美しいのだが。このカデンツァは、ショパンの崇高さを示す。解決方法として、練習曲作品10-3の中間部や25-6などの重音のスケールや表現が参考になる。
このレベルの音楽になると、目をつぶって耳を澄ませて聴きたい。動画は便利だがちょっと違う。言い換えると、音の奏でているイメージで音楽を想像する。
調性というかカラーを感じながら。嬰へ短調は、嫉妬深く暗く、変ト長調は、柔らかく明るい、変イ長調は、強さもある。
演奏が終わる頃には、一握りの落葉が(涙)。ショパンの嬰ハ短調は慰めである。
ショパンの難しさの究極にあるカデンツァ 協奏曲第2番2楽章に出てくるものが美しいのだが。他に練習曲作品10-3や25-6などの音楽や表現が参考になる。
ショパンの銅像のあるワジェンキ公園
プロフィール

- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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