ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」
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ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」
ムソルグスキー(1839‐1881) ロシア五人組の一人というが 独自性に富み孤高の存在でありつづけた。
レービンによる晩年のムソルグスキー肖像画。私が教科書でみた解説は、今ひとつだった。
アルコール依存で 狂気じみた 寂しい人生を終えたのであろうか。彼自身の癖なのか 時代がそうさせたのか。
彼が長生きしていたら ロシア音楽、歌劇はもっと変化していたにちがいない。彼が注いだのがロシアオペラだった。
写実主義のロシア音楽は チャイコフスキーともまた違い 前衛音楽の幕開けでもあった。
「ボリス・ゴドゥノフ」「蚤の歌」などインパクトのある曲を遺している。
出版や演奏会に恵まれず苦労したムソルグスキー。国民楽派のロシア五人組のなかでもひときわ異彩を放つ作曲家であった。
時代は、絶対音楽と標題音楽が混交する。彼は、現実主義で印象派風でもある。
驚くことに 組曲「展覧会の絵」はスタッソフに献呈された。個性的でテクニックが難しいので敬遠された。死後発見された遺作だった。誰もそう思わないだろう。
ラヴェルのオーケストラ編曲で 素晴らしい効果をあげ知られてゆく。テーマパークを通っていく 小品の数々は 子どもたちから大人まで
楽しめる芸術作品である。
プロムナードⅠ 変ロ長調 序曲 明るくはじまる「序曲」。ムソルグスキーがハルトマンの10枚の絵をみてまわる。
心境を音楽にしたもので間奏曲のようでもある。楽譜は 4分の5拍子と4分の6拍子が交錯しているが
ロシアには4分の5拍子の音楽は そこそこにある。
第1曲「小人」変ホ短調 巨人的な迫力のユニゾンと対比される小さな音
第2曲「古城」嬰ト短調 中世の古城で歌う吟遊詩人。月光が浮かぶようだ。
プロムナードⅡ 変イ長調 ある絵に心を奪われて立ち止まったかのように、ピッツィカートで歩みが中断される。
第3曲「チュイルリーの庭」「遊びのあとの子供のけんか」ロ長調 子供たちと女教師のいる公園の並木道が描かれている。
第4曲「牛車(ビードロ)」嬰ト短調 サンドミェシュのブィドゥオはワルシャワ南部の町。虐げられた人がひく牛車の重々しさが描かれている。
プロムナードⅢ 変ホ長調 柔らかな響き。転調。歩みをとめるムソルグスキー。
第5曲「卵の殻をつけたひなどりのバレエ」ヘ長調 ゲルバー(1831-1883)バレエ『トリル』画。ラヴェル版では、小太鼓の右のバチで太鼓の膜をたたき、左のバチで金属ワクをたたく
第6曲「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」変ロ短調 2枚の絵。毛皮の帽子をかぶった、ポーランドの金持ちのユダヤ人とゴールデンベルクはユダヤ人のムソルグスキーが描かれている。
プロムナードⅣ 変ロ長調 再起 力強く
第7曲 「リモージュの市場」変ホ長調 フランス南西部にある都市リモージュの市場で、フランスの女たちが言い争う様子が描かれている。
第8曲「カタコンブ―死者たちとともに死セせる言葉」イ短調 ロ短調 パリにある古代の地下廟を、ハルトマンが光を反射させている。
後ろ姿がハルトマンである。「カタコンブ」親友ハルトマンを追悼する。「プロムナード」の旋律で間奏。最後は、ハープの上行音と弦楽器のハーモニクスで透明。
第9曲「鶏の足の上の小屋」ハ長調 時計のデザイン画。ロシア民話の魔女、バーバ・ヤーガが住む鶏の足のうえの高床式の小屋。うすに乗って飛び回る魔女が描かれている。
第10曲「キエフの大門」変ホ長調 キエフは、ウクライナの古都で、かつてはロシアの首都。1866年「キエフの門」の設計図。中世のロシア正教会を思わせ、頂上には双頭の鷲が。幼子キリストを抱く聖母のイコンが。3つの鐘楼が見える。最後に、「プロムナード」の旋律が再現され、圧倒的な音楽は、鐘の強奏とともに、感動的な幕を閉じる。
https://youtu.be/1IOEZhogGzI
Alice Sara Ott – Mussorgsky – Pictures at an Exhibition
https://youtu.be/lgHG6TW8WG8
NHK Symphony Orchestra Valery Gergiev, conductor ロシアといえば レニングラードかサンクトペテルブルクかキーロフかマリインスキーか
歴史のあるオーケストラで指揮をつとめ重鎮である ヴァレリー・ゲルギエフがNHK交響楽団を指揮したときの演奏
プロフィール
- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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