ショパン/マズルカ第32番嬰ハ短調作品50-3


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ショパン/マズルカ第32番嬰ハ短調作品50-3

1842年に作曲・出版した全3曲の作品からなる曲集。献呈先はレオン・シュミトゥコフスキ。作品50は
ノクターン13、14番、バラード3番 幻想曲ヘ短調などを終え、円熟期に入るかなり大規模な作品。

マズルカ60曲ほどの中でも 旋律の美しさ 色彩の豊かさ(転調による)は、目をみはるものがある。
ショパンは 夜の曲が似合うが、この曲もサロンで弾かれるだろう。

前期のマズルカ(~1841年)は重音など にぎやかであったが 透明性が映え 半音階を使った ファンタジーのようでもある。
通常は2拍目にアクセントのあるマズルカだが アウフタクトからはじまるのはショパンならでは。

ピアノは打弦時から減衰する楽器であるが。単なる打楽器的要素でなく、声楽的な表現を求めている。それは、この頃のノクターンで
sotto voce の表現があるようにショパンのアリア的性格をのぞかせているのだ。クレッシェンドなどを注意深くみていかなければならない。

好きな曲の一つで、この曲を時々弾く。

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A 主題1(嬰ハ短調) B 主題2 C 中間部(ホ長調) A’ 再現部 D コーダ

さりげない カノンの動機がはじめられるが この指使いの音型 そのものが ショパンでなければ描けない音楽。
左手を少しくねらせ それに応える。まるで音の語りのよう。強弱を丁寧に聴くこと。

左手が主導権。透明性ある響きに注目。その後 転調しホ長調のリズムが出てくる。回想のようだ。

再現部は 同じようでも違う。右手のカノン的要素の音型が ピアニスティックな響きが美しい。
それから、半音階などで展開、左手のオクターブ3度下(6度)を右手が重ねるハーモニーが美しい。

後期の作品に長くなるコーダの傾向がある。全体的に 弱音志向だが 最後に思いが強く出され
テーマが左手で3回重ねられる。余韻を印象付け、突如終止形。終わりは ドラマティック。

https://youtu.be/eeKXbLCh54k

ブーニンさん ショパンコンクール優勝 話題の人。お元気になられますように。


主題1は この曲を統一するテーマ

アクセントに注目。マズルカのリズム。左手のテナーを聴かせ それにソプラノが被せるかたち。

中間部の長調の旋律を感じて。成熟したマズルカ。

再現部の 右手の跳躍とピアニスティックな響きに注目。細やかな表現を大切にしたい。

ソナタの展開部みたいに拘りが。半音階で上りつめ、強音でテーマを存分に語る。そしてテーマが左手での語りが何度が登場。右手のオブリガートでおさめる感じだ。
突然終止はドラマチック。

プロフィール

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nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ