「前奏曲とフーガ」第2巻14番嬰へ短調 BWV883
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平均律クラヴィア曲集(前奏曲とフーガ)第2巻14番嬰へ短調 BWV883
平均律で調律されたクラヴィアで演奏する事を構想し作曲された。
すべての調性(24の調性)による 前奏曲とフーガ 第1巻、第2巻を出版 48曲からなる。
ショパンは「学習者のための最適なテクスト」と推奨している。
バッハの音楽は ポリフォニーが多くをしめ 音域の出る楽器であれば
ユニバーサルな楽器でアンサンブルなどが可能です。そんな時、調性はデリケートなものになります。
管楽器は、特有の調の楽器がのこっていった。当然 移調をすることがあるのだが。
移調は大変 便利なものだ、何と演奏しやすいことか。たとえば 変ホ短調(フラット6つ)をニ短調(フラット1つ)に変更するなど。
音の高さが全体的に半音下がったのだから感じ方も違ったものになる。
鍵盤楽器以外の、声楽・弦楽などでは、平均律でなく純正調です。ポイントは 第3音「短音階」や第7音「導音」に関してです。
第3音は、平均律で弾かれた音の高さより「低い」。また 第7音「導音」終止に向かう場合 平均律で弾かれた音の高さより「高い」。
平均律の楽器と純正調の楽器と合わせたとき、違和感のない程度のずれ(揺れ)は許容範囲となっている。
(変ホ短調と嬰ニ短調は平均律では同じだが、純正調では微妙に違うのだけれども)
さて、平均律クラヴィア曲集について 全体をざっとみてみると。
バッハの時代 第1巻を書いた1720年代は、短調はあまり意識されていませんでした。宮廷音楽 王のための音楽。優雅な音楽。舞踊音楽。
ルターが宗教改革をし ドイツ語による宗教曲が必要とされた時代背景がある。バッハはカンタータを多く作曲した。
バッハが短調を使うことにより、宗教感や人生の機微を盛った内容は優雅だけでなく新たな感受性で受け入れられたのでは。
カンタータにより合唱の偉大さが重視される。楽器はというと、ヴァイオリンはバロックで大きな音は出ない。
チェンバロは通奏低音で大きな音がでないし、伴奏楽器としての役割でしかなかった。そこで バッハは教義的な無伴奏曲をつくり 楽器の価値を高めた。
1720年に息子の教育用として「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集」に初期稿が「プレアンブルム」として
第1巻 (BWV846〜869) は1722年 と第2巻 (BWV870〜893) は1742年 書かれている。
第1巻は バラエティに富んでいる。フーガ は 2声から5声まである。
拍子は 4分の2 2分の3 16分の12など 多彩である。
第2巻は 第1巻よりは 練習曲にとどまらず 音楽的に盛られ、高度な技術に裏打ちされている。
フーガは 3声か4声 拍子は 1巻と比べると 前奏曲に3拍子系が多くある。
パストラール(田園)風、またはジーグといえるかも。8分の9や 4分の3など。
さて、この第14番嬰へ短調 佳曲で 私はことある毎に弾いています。
前奏曲は「月光」のよう。和声的な旋律と3連符が推進している。カノンのように聴こえる。
フーガも「月光」のような 落ち着いた音の動き、憂える内容。傑作だと思います。
これは ペダルチェンバロ。オルガンを模倣してつくられたのでは。
途中終止が効果的。トリオソナタ(3つの楽器の)協奏曲にも思える。
バロック的な 上昇和声がひきたっている。
フーガは 主題1「落ち着いた動機」3声がバランスよく 絡んでいます。
主題2「付点のリズム」カノンのように絡み合う。
第3主題「息の長い旋律」は、ゆったりめなこの曲の後半を推進するはたらきを持っている。
プロフィール
- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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