モーツァルト「ピアノのための幻想曲とソナタ」


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モーツァルト「ピアノのための幻想曲とソナタ」

は、幻想曲ハ短調K475と ピアノソナタハ短調K457 のことである。
モーツァルトは 1756-1791 ザルツブルクに生まれ、ウィーン・プラハで活躍した作曲家である。

天性の明るさで 宮殿だけでなく 一般を魅了した。その筆致は、推敲を重ねるのではなく 思いついたままを 楽譜に書きとめられることが 自筆譜からも垣間見られる。
予約演奏会には 人気作曲家として 予約が一杯な状態があった。

母が亡くなった時に 短調の音楽をいくつか書いている。
ピアノソナタイ短調 など
これにより 音楽の豊かさを盛る事になったのだが 予約演奏会に陰りがみえてきた。

モーツァルトの感性は さらに豊かになることで傑作が生まれていった。
ピアノ協奏曲第20番ニ短調、第27番変ロ長調、ピアノソナタ第17番二長調、後期3大交響曲(39番、40番、41番)
ロンドイ短調、レクイエムニ短調・・・

さて、「幻想曲ハ短調K.475」 これは ハ短調ソナタK.457の即興的な導入とみられる。

ベートーヴェンの初期ソナタ作品2は 4楽章ソナタである。交響的な響きをピアノの世界に盛り込んだ。
緩 急 緩 急(ロンド コーダ 長調) という形が 時代的にも求められていくのである。

「幻想曲ハ短調K475」をみていこう。曲想は アダージョ アンダンティーノ ピウアレグロ アダージョ

フォルテピアノのために書かれていることを考える。多少、濁りのにじむ音色。強弱は 現在のピアノには及ばない。
また ダンパーペダルはひざを使う方式。アルペジオは チェンバロの金属的な優雅さはないが。ピアノとは違う音色。

Mozart W.A. Fantasia K 475 in C Minor

序奏 ユニゾン 短音階ではじめる手法は、ピアノ協奏曲第24番ハ短調の冒頭など 意味ありげのはじまりである。

幻想曲は 濁りのある和声感が 霧のように包まれている。通常のピアノソナタの明瞭な楽想と 全く違っている。

 

アレグロへ オクターブなどの「半音階」が印象的にしている。

 

「アジタート」と言ってもよい 情熱のほとばしる ピウアレグロの部分。
ファンタジーの核心部と言ってもよい。ピアノだと綺麗すぎるような気がする。
濁ったような弦の弾く連打のアルペジオが幻想的である。スクエアピアノで表現してみたい。


再び アダージョへ。バラードと言ってよい。沈んだ楽想。ブツ切れになる音や、呼応するため息のような音が 悲壮感を醸し出している。
最後は、和音と スケールで締めているが、これは ピアノソナタハ短調K.457への プロローグであった・・・

プロフィール

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nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ