リスト「ためいき」演奏会用練習曲第3番
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リスト「ためいき」3つの演奏会用練習曲より第3番変二長調(1845)
フランツ・リスト(1811-1886)
練習曲というが、機械的な鍛錬や技巧の向上のみを目的につくられたわけではない。
詩情にあふれた作品 1、悲しみ 2、軽やかさ 3、ため息
超絶技巧練習曲や パガニーニ練習曲など リストの作品は、バランスのとれた音楽上の要求が高い作品群のなかにある。
第3曲「ため息」は、人気のある作品。難易度的には、最高難度の 超絶技巧練習曲「鬼火」や「メフィスト・ワルツ」と比べると易しいとはいえ油断はできない。
あのリストでも、ショパンの「練習曲集作品10」は所見で弾くことができず、リストをうならせたのである。
リストは作曲家として 技巧向上をめざし パガニーニ大練習曲の第2版で 超絶技巧版にしたてた。
現在 私たちが聴いている「ラ・カンパネラ」は、第2版を易しく改訂した第3版なのである。
変ニ長調 フラット5つ ショパンも好んだが リストもよく使った。
コンソレーション「慰め」第3番もそうだ。柔和な響きになるのだろう。黒鍵がほどよく入っている事によるもの。
両手でのアルペジオの間に 上声のソプラノが 左手 右手 と交差をする。
指づかいは 左手2 や 右手4 など それをつないでいく。波のように聴こえる。
フランツ・リストの手 右手の人差し指が長い。左手の薬指が発達している。やはり 指が独立しているとみることができる。
1オクターブ3度(10度)に届く。肉厚でスタミナがあったようにみえる。
Hamelin plays Liszt – アムランの演奏は完璧だ。この程度の曲なら なんなく弾き去る。左手の ゴドフスキーの超絶技巧の曲を弾く スーパーテクニックピアニストの一人。
三段譜になっているが、アルペジオの左手と右手と 声部に分けているから。左手、右手の交差の一瞬のうちに ソプラノの音をため息のように奏でる。
スタッカートとスラーで息の長いフレーズといえる。歌わせること。
中間部 左手に主導権あり 充分響かせて アクセントもついている事に注意。右手は、重音とアルペジオ。
小さな音符で【カデンツ】は 駆け抜けるようでレジェロなモーション。
展開部 右手の細かなアルペジオや 左手のアルペジオに それぞれの親指が声部をテヌートで奏でる。
柔らかく奏され つないでいく。右手のアルペジオは 共鳴しやすくよく響くのでノンレガートぐらいでも音が保てると思う。
コーダは 左手、右手のアルペジオ交差に 重音を左手、右手で奏でつないでいく。
うねるような波のように 抑揚をつけて しかし、左手のバスの動きを特に大事にみること。
細かな音のコントロールを完璧に求めて。それでこそ 最後のアルペジオの上昇や静寂な世界を響かせられる。
全体的に 弱音志向であり リストのロマンが感じられる。
プロフィール
- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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