18.10.13 日本音楽学会西日本支部 第43回(通算394回)例会


FavoriteLoadingお気に入りに追加

お知らせをします。お時間ある方は どうぞ会場に足をお運びください。
研究発表で 橋本絹代氏(やわらかなバッハの会)が講演されます。

日  時 : 2018年10月13日(土)14:00〜17:00
会  場 : 大阪市立大学梅田サテライト文化交流センター大ホール(大阪駅前第2ビル6F)
アクセス : JR大阪駅、JR北新地駅、阪急梅田駅、阪神梅田駅、地下鉄西梅田・梅田・東梅田駅下車、徒歩3~15分
地  図 : https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/university/access#umeda
例会担当 : 増田聡(大阪市立大学)
内  容 : 修論発表・研究発表

修論発表

1.西澤忠志(立命館大学大学院)

日本における「自律した西洋音楽」観の形成――明治20年代の演奏批評の展開から
本発表は、明治20年代の演奏批評に着目することにより、日本において西洋音楽を自律したものと考える音楽観が形成された過程を明らかにするものである。
日本において、公益に資するものとしてではなく自律した芸術としての西洋音楽という理解が定着した時期について、先行研究では明治後半であると指摘されている。しかし、こうした理解がどの様な過程や背景によって形成されたかについては、これまでの先行研究では取り扱われなかった。そこで、本発表では当時の音楽観が現れた史料として演奏批評を取り上げ、その中でも最初期の批評に位置づけられる明治20年代の演奏批評に着目する。
これにより、それまでの徳育や民俗改良への効果の有無による音楽に対する評価とは異なった、音の美しさや演奏における表現の有無など音楽の自律性を前提とした評価基準によって演奏を批評し始めた過程と、思想的あるいは社会的背景を明らかにする。

2.當舎加那絵(ボローニャ大学大学院)

ショパンが使用した楽器についての一考察ーーブーフホルツ・ピアノとプレイエルのユニコード・ピアノを中心に
本研究はショパンが使用した楽器について調査を行い、ショパンがどのような音色を求めていたのかを考察することを目的とする。
はじめに、ショパンがポーランドで使用していた楽器「ブーフホルツ・ピアノ」について明らかにする。ブーフホルツは当時のワルシャワでは最も有名なピアノメーカーであった。この楽器の特徴からショパンの音楽的好みを検討する。
次にショパンのパリでの最初の公開演奏会に着目する。この演奏会が行われたサル・プレイエルについて、また、演奏された「6台のピアノのための《序曲と行進曲付大ポロネーズ》」という演目について様々な視点から考察を試みる。この演目には縦型、スクエア、そしてユニコード・ピアノという珍しい楽器が使用されていた。

研究発表

3.橋本絹代(やわらかなバッハの会)

やわらかなバッハ
バッハ平均律クラヴィーア曲集(以下、WTC)は鍵盤学習者にとって重要な作品であるが、演奏はかなり難しく、WTCを知る前にレッスンを止めてしまう生徒も多い。WTCを広める方法の一つとしてWTCの成立過程から導き出した演奏法を2009年に『やわらかなバッハ』として上梓した。同時にWTC全48曲を編曲や省略なしで、ハ長調もしくはイ短調に移調された楽譜を世界で初めて出版した。
研究から実践への試みとして現在「やわらかなバッハの会」を主宰し、バッハ輪奏会、バッハ輪読会、バッハ対話集会などのバッハ啓蒙活動を実施している。またバッハの誕生日と命日にプロアマ問わず、ステージと客席との距離を縮め、誰でも参加できるバッハコンサートを主催している。本発表は実践例を示しながらWTCの固定観念にとらわれない演奏法の可能性について検討する。

 

プロフィール

Avatar photo
nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ