処理水問題「私たちの海」


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処理水問題「私たちの海」

フクイチの処理水~これから30年~ 東京電力でなく国全体の問題

・7月4日 、IAEA(国際原子力機関)は東京電力のフクイチの処理水の海洋放出の計画について「国際的な安全基準に合致」し、人や環境への影響は「無視できるほどごくわずか」と評価する包括報告書が公表された。ジュネーブの国連人権理事会の加盟国や国連特別報告者は、日本の放出計画に反対している。

・「地元に理解が得られるかたちで」と述べたが、首相はその後、福島を訪問した際、県の漁協幹部との会談を実現しなかった。東京の漁協の上層部と会談したが話合いでなく放出するという報告だった。

・8月27日、NHKの討論番組に出演した西村経済産業大臣は、経緯と現状を説明した。現在、一日90tの汚染水が発生している。これは、燃料デブリに地下水が侵入し混ざっている事。地下水を食い止める凍土壁を作ったがうまくいかなかった。この汚染水は従来はセシウムを主に処理するのだが、62核種の一部が処理できない。そこで多核種除去設備(ALPS)システムを構築した。これでトリチウムを除く核種を除去できるとしている。処理水タンクは98%で満杯に近く、用地を増やすなど問題が喫緊になっていた。この物質はHICに貯蔵され保管される。東京電力HP
トリチウムは再処理で1ℓあたり1500ベクレル未満に希釈され安全なレベルにし海に放出。この計画を原子力規制庁内原子力規制委員会が認めた。続いて、また、IAEAのグロッシ事務局長は「この計画の遂行中はIAEAがフクシマに常駐すると宣言、モニタリングするのは29核種」。福島県の海、11か所でモニタリングし結果を報告した。

2011年3月11日、東日本大震災によりフクイチは被災した。フクイチの4つある原子炉の燃料デブリは880t(4号機には燃料デブリは0)。使用済み核燃料が溶け落ちている状態では爆発が起きるかもしれない。再臨界を防ぐため継続的に注水が行われている。2号機デブリ付近の放射線量は1時間あたり7.6シーベルトで人が1時間で死に至る恐るべき危険な値である。そのため、ロボットアームで取り出しの試験と分析が行われている。ちなみに燃料デブリの核種のうち、セシウムの半減期は、1250年で、もっと凄いのはプルトニウムの24000年。1957年9月ロシアで起きた「ウラル核惨事」(INESでレベル6)は空中にプルトニウムなどが放出され1万~27万人(最大45万人)が被爆したという。フクイチの事故はレベル7に相当し、チェルノブイリと同等の事故と評価される。

商業レベルと実際。スウェーデンのグレタさんが「飛行機は利用しない」と言ったが「飛行機に乗らないで」と言っているのではないと。グレタさんは、周囲を変えた。船を使っている。Co2削減に向けた取り組みをしているかについて問いかけている。日本は資源に乏しく貿易により他の国に比べ恵まれているが、商業主義でバランスは良くない。そこに深い感謝や信念があるかと言えばどうなのだろう。食材すべての命を大切にし、感謝できているだろうか。例えば、僧侶や神職らは、厳しい修行や禊をする傍ら、菜食を厳格に守る。しかし、現代では厳格に行っているのは一部である。むしろ、海外の方が、ベジタリアンやヴィーガンがいて徹底している。一方、海外でナッツなどのアナフィキラシーは油断すると緊急搬送される事には注意が必要。

私たちの日本は、エネルギー資源として、石油 (37.6%)石炭 (25.1%)天然ガス (22.9%)原子力 (2.8%)水力 (3.5%)地熱・風力・太陽光・バイオマス等 (8.2%)。水力、火力発電を推進してきたが、水力はダム建設の効率が問題。火力は2度のオイルショックを経験した。他のシェールガスや風力などもあるが、参入への投資など充分に支援できなかった。政府は、これまでも国策として安定的なエネルギーとして原子力を推進してきた。それに関わっているのが経済産業省と東京電力である。原子力は54基あったが、2011年、東日本大震災による被災により見直しされ21基が廃炉を決定し、残り33基で稼働するとした。今年にかけて電気代が上がっているが、それは原子力が稼働できてなく維持費などのコストがかかっていると電力会社は説明する。ちょっと驚くが、原子力の割合はそう多くないのに、なぜ残さなければならないのか。これには、京都議定書(2008年~2020年)からパリ協定(~2030年)SDGs(~2030年) さらに「カーボンニュートラル」(~2050年)も関連している。飛行機はco2削減に取り組んでいるし、自動車もEV化に取り組んでいる。セブンイレブンは、店の屋根にソーラーパネルを取り付けco2削減に取り組んでいる。環境を守るというポリシーに好感度がよい。将来に向けて私たちの海をどう守るか。環境を壊すのは簡単だが、復元は簡単でない事。

 

2019年のデータでは、原子力の2.8%より太陽光などは8.2%で割合が多い。太陽光に切り替えたらどうだろう、何か問題はあるのか。太陽光パネルに補助金を出すべき。

原発は、安全に稼働していれば問題ないのだが。地震・津波・災害の多い日本。レベル7の事故を起こしたのだから。半減期が24000年のものが・・・恐ろしい。他人事のように何の疑問も感じないのだろうか。安全レベルがアップデートを検証すべき。そして、廃炉し資源エネルギーを違うものにシフトしていく、これが世の中の流れ。ミサイルで攻撃されたら迎撃できるのか。原発は人質みたいなもので、たちどころに被爆してしまう。水力もダムが破壊されれば洪水が起き多数の死者がでる。日米安保がある事は大きいのだが。

半導体輸出に関する規制をかけたのが23日。それに対し中国は「処理水放出に反対」し魚介類の通関を遅らせようとしている。日本のすしや食文化を中国人はわかっている。トレンドとして、円安。以前より日本に来やすくなっている。8月初旬には、コロナ禍後の団体旅行を解禁した。日本としては、この機会に訪れてもらう事を期待している。円安によって、2022年 1ドル=105円 → 2023年 1ドル=140円。1000ドルとしては、105万円が140万円になったと言う事。

さて、これからが勝負です。

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nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ