「コバケンの第九」24.12.25
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「コバケンの第九」24.12.25
ミューザ川崎シンフォニーホール
石丸由佳 オルガン 小林研一郎 指揮 日本フィルハーモニー交響楽団
小林研一郎氏 御年84歳 1940年(昭和15年)生まれ 指揮棒を持って入場、指揮者用譜面台を使用しない。指揮ぶりがよく見える。「第九」70数分におよぶ大曲を暗譜で指揮。こんな話を聞いた事が。譜面台に楽譜を置いておき「御守がわり」にする指揮者がいるとか。驚嘆した。コバケンにそれは必要なかった。
私がコバケンの凄さを知ったのは、マーラー/交響曲第2番ハ短調「復活」のSACDである。この録音は1997年という。日本人指揮者がチェコ・フィルハーモニーと録音をする事は、なかなかできることでない。それだけでなく、ソリスト、合唱を伴う大曲に取り組んだ。SACD/ハイブリッドCDのダイナミックレンジは、通常のCDより拡大されていて、一音まで堪能できる。
東京音楽大学の合唱は、場の雰囲気を高揚させた。コバケンの指示にそれ以上に応えてくれたに違いない。
会場の「ミューザ川崎シンフォニーホール」は、今年オープン20周年の年。日本のクラシック音楽ホールの大都市圏を代表するホール。1997席を収容。1F前の席は、舞台と高さの差が少なく近い。ダイナミックな音響が体感するだろう。
ホールの顔、パイプオルガンは国内最大級、5,248本のパイプ数を誇り、壮大でモダンなデザインで4段鍵盤。スイスの名門オルガンビルダーであるクーン社製。ストップ数は、71で和楽器の笙などの珍しい音色がインストールされている。
なお、この公演では、当日配布のプログラムにあるようにカーテンコールでの撮影が許可されていました。皆さん、どんな映え写真を撮ったのでしょう。
前半は、オルガン独奏の石丸由佳 白い優雅な衣装を身にまとい、キラキラしている。最近、オルガンでポップスのCDをリリースした。オルガンに親しんでもらえるのは良い事だ。
1,ブラームス/「11のコラール前奏曲」作品122は、クララ・シューマンが亡くなり、気を落としていた時に、若い時、シューマンからオルガンの作品を書くようにと言われた事を思い出した。追憶とバッハへの敬愛のこもった最晩年の作品。第4曲「わが心の切なる喜び」おだやかな楽想、ファンタジーでもある。
2,バッハ/クリスマスコラール「甘き喜びのうちに」BWV608 上の2段鍵盤を使って演奏。3連符が特徴で駆け抜けるような楽想。
3,バッハ/トッカータとフーガニ短調BWV565。大胆な構成。トッカータという即興的な楽曲。ファンタジックに劇的に響かせる。フーガは、淀みないバッハの世界で、途中終止など。で展開されていくが、走句が綺麗、最後はギリシャの建築物をイメージするアルペッジオとコード。
後半は「第九」。東京音楽大学の合唱はオルガンのすぐ前の座席を使用。私は、2F右サイドの一番外側の席を選んだ。オルガン演奏が横からよく見えたし、指揮者のコバケンの表情も見えた。合唱団がすぐ横にいて迫力があった。ソリストは最前列で。若い力が嬉しい。ソプラノ 小川栞奈 メゾソプラノ 山下牧子 テノール 錦織健 バリトン 青山貴
第九の聴き方として:ベートーヴェンの思いが伝わってくる箇所。第1楽章の中間部の激しい嵐。第2楽章のスケルツォのコントラバス全合奏。第3楽章の変奏曲形式の弦楽と管楽の重奏の美しい諦観。第4楽章の「歓喜の歌」の直前の長い「フーガ」や合唱の「二重フーガ」。コバケンの音楽的宇宙は絶対的な手中にあるのだ。
それにしても、東海道本線が午前の東戸塚の人身事故と夕方の保土ヶ谷の沿線火災で終日運転「見合わせ」が決まった。川崎駅の東海道本線ホームの電車に運転再開を待つ人が乗っている。どうしても乗らなければならない方は気の毒に思いました。藤沢駅だと、普通は東海道本線一本で行けるところが。小田急線と相鉄線と京浜東北線で乗り継ぎ。まあ、大変な一日でした。
プロフィール
- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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