ジャック・カロ「戦争の惨禍」


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国立西洋美術館では、「ジャック・カロ」の展覧会が開かれている。

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ジャック・カロ(Jacques Callot, 1592 – 1635)は、バロック期 活躍したロレーヌ地方出身の版画家。1400もの細密なエッチングを制作。華やかな王宮生活と並んで兵士や道化、ジプシー、乞食などの作品を残した。

現在フランス領となっているロレーヌ公国の首都ナンシーで生まれた。15歳、ローマに出、フィレンツェでエッチングの技法を学び、1612年から21年までこの地で過ごす。後にナンシーに戻る。

1633年は三十年戦争によって神聖ローマ帝国 ロレーヌ地方がフランス軍から侵略を受けていた。カロの『戦争の惨禍』はゴヤの『戦争の惨禍』シリーズと並ぶ、戦争の非人間性をあらわした作品。
最後の宗教戦争と言われ ウェストファリア条約によって 終結した。
民族紛争は 無くなっておらず 世界のいろいろなところで紛争が起きている。

Jacques Callot

アルザス ロレーヌ地方は フランス・ドイツがたびたび領有権を争い 激戦地となった悲劇の場所である。

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三十年戦争 1618-1648 フランスは、アルザス地方と、ロレーヌ地方のメッツ、トゥール、ヴェルダンを獲得した(神聖ローマ帝国からの離脱を確認)。

第一次世界大戦 ヴェルダンの戦い 1916年2月21日 – 12月19日では 双方70万人もの尊い人命が奪われた。ドイツ軍が侵攻 鉄鉱石の産地であったヴェルダンの争奪戦。

先日 NHK 番組 歴史ヒストリア パリ ナースたちの戦場 ~看護婦が見た世界大戦の真実~をみた。
第一次大戦時 日本からフランスへ日本赤十字社が活動した看護師 竹田ハツメの手記。戦車 戦闘機 毒ガスなど威力を増した兵器により 負傷の程度もひどい状態が多いなか懸命に看護にあたる。ヴェルダンの戦いは凄惨さをにじませた。
http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/200.html

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日本は、戦争から学んでいるのだろうか。ヨーロッパは 戦争を風化させてはならないという風土ができている。日本では、物語化 歴史化 されていて現実味がない。戦争ゲームを楽しむ、ドクロマークのシャツを着るというのが日本であることを感じる。ワビサビを感じるが、英雄画がおもに使用され、乞食などを描いた絵画は、封印されてきた。現実をみない 蓋をするというところがあるように思える。

プロフィール

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nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ