ショパン/夜想曲(ノクターン)第13番ハ短調作品48-1 ドラマティーク


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ショパン/夜想曲(ノクターン)第13番ハ短調作品48-1 ドラマティーク

ショパンの作品は 前奏曲 マズルカ ワルツ などのどれをとっても起承転結があり
ドラマがある。決然たるバスの音が確実に 旋律を支えているのだ。

ショパンの作風が変わる時 それは ソナタ2番作品35を発表だが、前奏曲作品28あたりかな。もちろん マズルカなども。
夜想曲は、「憧れ」の情緒や 夜でも煮えたぎる情熱を見ることができる。
が、この曲は規模が大きく叙情的。

この頃は ジョルジュサンドとは 縁が遠くなっているのだろう。原因はいろいろあるが、サンドの息子と相性が良くなく ショパンはどうしてよいかわからなかった。
次の作品49「幻想曲」では サンドとの出会いと別れ を描いているようだ。

Doppio movimento は ソナタ2番「葬送行進曲付き」の冒頭でも使われている。暗い情熱のなかに ショパンの焔がたっている。重音の連打は 時には雨の降るようにしとしく 時には嵐の如く叩きつけるように 音は同じなのだが 表情が違うことに注目。左手のバス 右手の和音に メロディーがかき消されないようにバランスを保って。

声楽的な用語がつかわれている。mezza voce (声を半分におとして)

映画「ショパン」で 喀血し病床にあったシーンにこの音楽が。姉がかけつけ祈りをささげる。

中間部 ハ長調の緩やかなアルペジオ 内には情熱を秘めている。月あかり


異例のオクターブづくめ 輝く音色だが 激しさをのぞかせる。最後の小節は、音だけでない 感情が変化していて表現が難しい。

短調の Doppio movimento せきこんで ノンレガートに近いスタッカートだと思う。上の声部は息が長いフレーズ。


内声の和音は 旋律を邪魔しないこと。左手は六度の拡張がある。前奏曲第2番を参考に。
重音は 同じ長さだが その時々により 表現がさまざまに変化している。

フォルテッシモ 2小節目でクライマックスを築くが・・・その後、
このような終わり、ショパンの崇高な意図が読み取れるだろうか。
秋の枯葉が落ちて・・・音がなくなってしまう。ただ、「響き」だけがそこにのこっていた・・・
私的には morendo の標記(息が小さくなるように)のようにも感じられる。

これは ドラクロワが描いた。後に この絵は分割され ショパンの自画像のイメージとなった。

プロフィール

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nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ