ヴァーチャルオルガン


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ヴァーチャルオルガン 教会のオルガンの響き

2019年頃から模索してきた。今、静かにわきあがる。八ヶ岳リードオルガン美術館(2019-2020)や静岡バッハハウス(2020-2021)での演奏を通して、パイプオルガンの響きに魅せられる。バッハの最晩年のコラール・プレリュードBWV641 Wenn wir in hochsten Noten sein「われら悩みの極みにありて 」を演奏したい。ピアノ編曲版は近いうちに演奏しようと思う。3声体のオルガンでそのうち実現するだろうか。

パイプオルガンは一台、一台建物に合わせ設置されるもので、小規模でも導入は簡単にはいかない。そこで、ヴァーチャルオルガンが登場。パソコン、タブレット用のソフトウェアHauptwerk ハウプトヴェルク【有料版】GrandOrgue グランドオルグ【無料版】のアプリを活用。Hauptwerkではイギリスの教会のオルガンがサンプルとして提供されている。他にも音源セットを導入すれば、その教会のオルガンを体験できる。肝心なのは、導入するPCのスペック。HDDの大容量化で導入しやすくなった。メモリは16GB が推奨。タッチパネルが使えるタブレットが理想的だがそんな製品はなかなかないようだ。USBポートの端子の数やSSDの大容量化などが現実的な導入条件となる。

本物のオルガンと違う事は理解している。発音システムが異なりタッチが違うからだ。本物はアフタータッチはあるが、鍵盤を少し押さえただけで発音してしまう。ここがピアノなどと決定的に違う。パーツは、2段鍵盤のMIDIコントロールキーボード(49か61鍵盤)と足鍵盤(MIDIペダル)とスウェル(エクスプレッションペダル)と椅子とスタンドで構成できる。MIDIペダルは、ペダル鍵盤の上部にスウェルペダルが取り付けられるものがよい。鍵盤数は2オクターブ以上で30鍵などが使われる。通常の電子オルガンのペダルでは1オクターブ半くらいなので音域が足りない。オルガンのペダルでの最低音のドは(ピアノの88鍵盤を例に、最低音がA1として)C15の鍵盤の音高でパイプが8フィートの長さで設計。ピアノで言う最低音A1が発音できるためには16フィート必要となる。さらにオルガンの発音可能音域は96でおり、その8鍵盤分下の最低音のCの場合32フィート必要となり高さが9.6mとなる。高さが10mとなれば3F建の吹き抜けが実現できるか。実際は音響も関係するから。一般の家屋では建築基準法の「絶対高さの制限」がある。大規模な音楽専用ホールでないと設計はできない。そのため、16フィートは希望したいところだけど、それも設置できない事があり、オルガンはかなり特別である事がわかる。

パイプオルガンのパイプは錫と鉛の合金で、錫の割合により音色が変動する。それは梵鐘もそう。パイプはローマの水道管にも青銅が使われているのだから。もう2000年も前からあった。紀元前264年、クテシビオスの水オルガンからはじまった。ふいごのシステムが導入されたのが紀元前1世紀ごろ。一方、東南アジアが発祥の笙が日本に奈良時代伝わった事が正倉院の宝物からも明らかである。パイプオルガンとしては9世紀ごろから教会につくられたという。ただ、音楽のあり方としては、9世紀末にオルガヌムがはじまり、グレゴリオ聖歌がこの頃だとされている。時代は過ぎスヴェーリンク( 1562 – 1621)やフレスコバルディ( 1583 – 1643)がオルガンを奏した。モンテベルディ(1567 – 1643)により、それまで完全4度、5度の2声体だった音楽が和音構成音の第3音が使われ始め音楽は大きく変化を遂げた。そして、北ドイツ派の作曲家ブクステフーデ(1637-1707)などから影響をうけたバッハがオルガン曲を多くつくるようになった。そういった事をイメージしながら曲を弾くようにしたいと思っている。

 

 

素敵なオルガンシステム、一生もの。特注でオーダーする事ができるみたいだが、価格は200万以上。
しかも、重量が重いので移動はできない。

そこでヴァーチャルオルガン。実際は、ここにスピーカーとタブレットPCと譜面台がつく。
足鍵盤(MIDIペダル)と専用椅子は必須、スタンドは必要だと思う。

 

 

 

こうやって探してみるといろいろあるものだと。

プロフィール

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nishikunn
☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー  ピアノテクニシャン  なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ