額井岳(標高822m)の麓に 鏡池がある。標高530m 気温21℃ 「龍王ヶ渕」
三方を森に囲まれ 湧水が注いでいる。天の恵みか 窪地に清水が溜まった。穏やかな水面。一部水草があり それが 鏡池独特の風景をうみだした。
四季折々の景色が愉しみである。
カエルやバッタ 魚がいる。また 水草が浮かぶ。草花が植生し、湿原を形成した。
ここは 堀越神社の神域でもある。堀越神社は雨乞いの神。
『豊玉姫命』を祀る。神武天皇の父方の御祖母。本殿内の御神体は桶の中にある石である。旱魃のときには向渕の農民や近隣からも祈雨の祈願でお詣りし、龍王ケ淵周囲を松明を持って「雨ヲタマワレ、タマワレ、タンブリ、タンブリ」と宣う。『豊玉姫命』は海神『大綿津見神(おおわたつみのかみ)』の娘。天孫・邇々芸命(ににぎのみこと)が大山津見神の娘木花佐久夜毘売との間にもうけた火遠理命(=山幸彦)と結婚し、鵜茅不合葺命(うがやふきあえず)を生む。鵜茅不合葺命は、トヨタマヒメの妹・玉依姫神に養育され、後に玉依姫神との間に神倭伊波禮毘古命(=神武天皇)をもうける。天王寺の茶臼山にある堀越神社は、崇峻天皇が御祭神で徳川家康が大坂冬の陣で陣を張った事で知られる。
後朱雀天皇の時、向淵の目代藤原時廉が、観音の霊夢に感じ、清浄の浴地を求めてこゝまで来た。見ると、可愛いゝ童子二人が、池水に浴してゐた。童子等は、時廉の姿を見て大いに驚き、早速上って羽衣をつけながら、『我等は、人界の者ではない。この池は、善女龍王の都、底は無くて、天竺の無熱池に通じてゐる。それで、吾等は天から降って浴してゐたのだが、人間に此事を知られた上は、もうダメだ。』と云って、クツを履くひまさへなく、あわてゝ天上してしまったと云ふ。