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「所沢ミューズ」のオルガン 埼玉県所沢市にある「航空公園」駅が最寄り。日本の航空発祥の地である。戦後「米軍所沢通信基地」としていたが
1971年(昭和46年)6割が返還され土地活用されている。駅すぐのところにある航空機のオブジェが目をひく。
私は、どちらかというと 列車よりも飛行機の方が好きなので テンションがあがる。
所沢市民文化センター ミューズが正式名称。アークホール(大ホール)は2000人を収容する。高さがあるのが特徴。
オルガンは、オーストリア・リーガー社製。ストップ数:75 パイプ数:5,563本 4段鍵盤。国内最大規模の一つ。
見学と体験があった。この日は、富田一樹さんのコンサートがあり聴く事ができた。2階席の手前中央。
上部のカメラからの映像があり演奏の模様がビジュアル的に映し出される。
最後のパッサカリアハ短調BWV582は、テンポがゆったりめ、重厚で圧巻だった。特に重低音の音色は鳥肌が立つほど。堪能した。
演奏終了後「見学と体験」ができた。国内最大規模のオルガンを前にして、できるものなら音を出してみたい。
楽譜を持ち合わせていたのが、ブラームスの交響曲第4番ホ短調第1楽章と第4楽章「パッサカリア」と「G線上のアリア」。
ブラームスは、円熟期の決算として第4交響曲を作曲。最終楽章のテーマを、バッハのカンタータ第150番『主よ、われ汝を仰ぎ望む』(”Nach dir, Herr, verlanget mich”、BWV.150)の終曲「わが苦しみの日々を」(”Meine Tage in dem Leide”)から引用 パッサカリアとしたのだった。
演奏体験は、10人ほどいる。順番がある、抽選だったよう。演奏順は1番目だった。楽器のガイダンスと指導は梅干野安未さん(ミューズホールオルガニスト)。
わかりやすい解説。まず椅子の座り方から確認。
「何か弾きたい曲ありますか?」>>「今日のプログラム パッサカリアだったから ブラームスのシンフォニーのパッサカリア。和音がどう響くかやってみたい」
「やってみましょう」先生は楽譜を見るとすぐにストップをチューニングした。
「ペダルは弾けますか?」>>「早くは動かせなくて、あまりできないかも。できるところはやってみます」
先生がペダルをやってくださると。私は中央寄りにいるが 先生が左寄りにいて ペダルの音をみていた。
まずは、パッサカリアの8小節。第一音から深い重厚な響き。風圧が上や後ろ、手以外の体全体に伝わってきた。「凄い」
そして、8小節を弾き終える時の和音の伸ばし方と鍵盤の離れ方がポイント。
和音を鳴らす時、それぞれの音の重さを感じた。一つ一つのパイプが震動・共鳴している事を意識する。
パイプオルガンは建物。3階建の構造になっており、音が立体的である。
鍵盤が離れる時、鷲掴みのような和音では ハーフタッチからさらに深いところをバネに 肘全体から上半身が自然に起き上がってくるのだ。
音の繋ぎは 残響2.5秒以上なので その範囲であれば 多少 レガートでなくてもつながる。つまり、ノンレガート、スタッカート、テヌートなどの表現が難しい。
一方、「G線上のアリア」のような 旋律の流れのイメージの時は そんなに深く抑えなくても音は鳴る。そのかわり 軽めの(明瞭な)音が出ている。
オルガンには「カプラー」の機能があって1段目とペダルを同時発音できたりする機能がある。
他の方のレッスンも聴講、それぞれの実践。それは「楽しいレッスン」だった。バッハの平均律第1巻第24番のプレリュードを弾いている人がいて、
それを聴きながら「祈り」に繋がっていると感じた。(半音階の下がり=降誕)
ここは、4段鍵盤。可能性が広がり理想的。1と2はよく使われるだろうが、3や4も使用できる。3段目はフルート。4段目はピッコロ・・・とか。
2段目 管楽器(クラリネット・オーボエ)1段目 弦楽器。バスの組み合わせかな。(ひとつのイメージ)
弦・管楽器にフルートソロが 慰めの旋律を躊躇いながら奏する。
オルガンは「オーケストラ」すべてが可能。
事が終わり 移動しカフェタイム。ミューズ所沢のクリアーファイル。楽譜は ブラームス シンフォニー4番「パッサカリア」
梅干野 安未先生とは昨年2月 サントリーホール メサイア特別合唱団(鈴木優人さん 指揮) 出演以来だった。この記事はこちら。
フォーレ「夢のあとに」。梅干野安未さん オルガン & 正戸里佳さん ヴァイオリン が鳥肌たつほど感動した。
ヴァイオリンがステージに一台 だいぶ離れているオルガン。バランスは大丈夫なのだろうか。それは杞憂にすぎなかった。
今までに聴いた事がない オルガンの可能性。
ヴァイオリンの雷鳴の如くとどろく音色とオルガンがすべてを包み込む。素晴らしい。merveilleux!
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オルガン・リレー・コンサート サントリーホール休館直前スペシャル Suntory Hall Organ Day
【日時】2017年2月5日(日)12:20開演(12:00開場 ※16:00終演予定)
【会場】サントリーホール 大ホール、サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
【出演・時間】大ホール
オルガン :12:20~ ダヴィデ・マリアーノ Davide Mariano, organ
:13:00~ 新山恵理 Eri Niiyama, organ
:13:40~ 勝山雅世 Masayo Katsuyama, organ
:14:30~ 梅干野安未(オルガン)& 正戸里佳(ヴァイオリン)Ami Hoyano, organ & Rika Masato, violin
:15:10~ 三浦はつみ Hatsumi Miura, organ
アンコール ヘンデル:「ハレルヤ」コーラス(『メサイア』から
鈴木優人 指揮 メサイア特別合唱団 ポジティブオルガン ピアニカも登場。楽しいひとときだった。
濃いひとときだった。
プロフィール
- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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