2015年は スクリャービン 没後100年にあたる。ショパンを敬愛し 独自の詩的 幻想的情緒を作品に取り入れた。神秘主義と言われるが それは ピアノソナタ第5番以降になる。それまでは ロマン派を組む 国民音楽派の作風であった。「左手のコサック」として知られ 様々なテクニックを駆使している。その作品群が ピアノソナタ 練習曲 エチュード 前奏曲である。練習曲は ショパンが有名だが リストは「ためいき」など 演奏会用練習曲がある。
練習曲嬰ハ短調作品42-5 は嬰ニ短調作品8-12 とともに傑作の一つ。素晴らしい作品。
左手の跳躍や右手の流麗な旋律の流れ。難しさ故に 感情をこめて演奏したい曲。
2回目のテーマが出てくる。この時の内声の表現が難しい。半音階的で 決して強く弾かれない。流れるように。
後半の左手の「強打のオクターブ 一番下の段の最低音は A1」。こういう曲があっただろうか。
左手のオクターブが終わり次のステップが。
右手のピアニスティックで 憂愁を帯びた 流麗なメロディーライン。一度目とは違って
繊細にしている。上の段、2小節目。右手の下声の親指や人差指の運指が大切になる。
左手も右手も嵐のごとく勢いを強めていくが 風はおさまる。特に左手の跳躍が特徴で それを鐘のごとく響かせること。
ショパンの「木枯らしのエチュード」 スクリャービン風とも。
https://youtu.be/QafBsklr99c
Scriabin – Etude Op. 42 No. 5 (Kissin)