貴志駅と「たま」
何年か前に行ったときは 駅舎の売店に たまが制服と帽子を着用し座っていて 地元に通う高校生がみていく光景を目の当たりにした。もちろん 全国各地から訪れる観光客に「招き猫」の職責を果たし、愛嬌もみせる。荒々しさはなく、むしろ堂々たる風格で、人に喜びを与え続けた存在。会社の存続危機を救っただけではない。神のつかいであり、「大明神」となられた。現在、貴志駅の「たま神社」で見守っている・・・ 神々しさを感じる。
たま(1999年〈平成11年〉4月29日 – 2015年〈平成27年〉6月22日)は、和歌山電鐵貴志川線貴志駅で駅長を務めた雌の三毛猫。同駅名誉永久駅長。2007年1月5日に和歌山電鐵から正式に駅長に任命されたことで話題を呼んだ。主な業務は「客招き」。任期はなく終身雇用であり、報酬は年俸としてのキャットフード1年分であった。
2003年、貴志川線を運営していた南海電鉄が赤字解消が困難なことを理由に路線廃止を表明した。岡山県を中心に公共交通事業を行っている両備グループが経営を引き継ぐこととなり、同グループの岡山電気軌道の子会社として「和歌山電鐵」が設立された。この経営移管に際して、倉庫と駅舎の間はホームへの公道として整備されることになったため、そこに置かれていたたま達の猫小屋は立ち退きを迫られることとなった。たまは、同駅の売店である小山商店の飼い猫であり、困った飼い主が2006年4月1日に和歌山電鐵の開業記念式典を終えた後の小嶋光信社長に「猫たちを駅の中に住まわせてもらえないか」と相談した。小嶋は発案し「招き猫」になって欲しいとの願いを込めて、たまを駅長などに任命することになった。猫に駅長を嘱託した例は日本の民営鉄道では初である。日本国外からの観光客も訪れたりCNNを初めとした日本国外のメディアでも取り上げられるなど、海外でも話題を呼んだ。
乗客数の増加・観光へのアピールへの功績から、「スーパー駅長」「ウルトラ駅長」「和歌山電鐵社長代理」さらに2010年には駅長就任3周年を祝し、たまは執行役員への昇進が決まった。2010年1月3日に貴志駅において就任式が開かれた。2010年8月4日には、開業以来の旧駅舎に変わって猫をモチーフにした貴志駅の新駅舎「たまミュージアム貴志駅」が完成。檜皮葺の屋根には猫耳とTAMAの飾りが取り付けられている。2011年1月5日、駅長就任4周年記念式典において、「たま駅長の神業の活躍」に対して同年1月6日に「常務執行役員」に昇進。これは社長・専務に次ぐナンバー3に当たる。
2013年4月30日、たまの古希を祝うイベントが開催された。高齢のため、同日から祝日を除く毎週火曜、水曜、木曜のみの出勤(後に金曜も出勤日)になる。2015年5月19日から鼻炎のため入院していたが、復帰することなく同年6月22日に急性心不全のために死んだ。
同月28日に和歌山電鐵主催の神道形式による社葬が貴志駅構内で営まれ、社長の小嶋光信が弔辞を捧げ、たまに「名誉永久駅長」の称号を追贈した。「たま」の死後、和歌山電鐵は貴志駅に鎮座する神社の一つについて「たま神社」と命名し、2015年8月11日に社長の小嶋、仁坂吉伸(和歌山県知事)らが参列してたま神社の宮開き神事を執り行うと共に、神社に「たま」の銅像2体を設置した。
現在は「ニタマ」たま2世 が 駅長となり常勤している。