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ショパン/練習曲第24番ハ短調作品25-12「大洋」
24の練習曲集 最後を飾る ハ短調。疾風怒濤の感情が投影される。この練習曲集は作品10と25だが、それに遺作が3曲ある。
遺作は、当初、前奏曲のようで「落ち穂拾い」などと評価されていたが、リズムとピアノの表現に関わる重要なエチュード。
26歳の作品。すでに、ピアノという楽器を現実的に(ピアニストに拷問をかけることなく)
藝術的に極限まで高めたショパンは天才である。しかし、手の捩じれたものは弾かない方がよいと。当時は、リストとクララ・シューマンが演奏できたという。
1900年代に入ってはじめて全集が収録された。
ポーランドの音楽教師 ゴドフスキーは ショパンの練習曲をさらに難しくした パラフレーズを作曲した。
嬰ハ短調へ移調し左手のみで演奏できるようにした。もちろん 難曲には違いないのだが ハーモニーは参考になる。
テクニックとして「無窮動」の表現。 アルペジオを休みなく弾き続ける事で無機質にならないこと。
単純にアルペジオと言うが、3オクターブに亘る 乖離した分散和音を弾くには
肩の弛緩 肘の支え 手首の柔軟さ 左右に動くときの膝の使い方。
密集和音とは違う、指先の力。跳躍が的確にする握り(スパン)がポイントとなる事を。
2分の2拍子。
様々なアルペジオが出ているが 表情も違う。
冒頭の ハ長調の和声 輝く白い星のように。
中間部 変イ長調の和声 柔らかい波のように。
中間部 ハ短調の和声 厳しい波のように うねる。(悼みを伴って)
最後の へ短調の和声 コーダに向かって 突進するがごとく。
最初の16分音符は ペダルで響かせる事。下記のようなイメージ。
息は長いが このようになると思う。冒頭の8小節を和声で示す。
中間部 変イ長調の和声が柔らかくなる。さざ波か・・・(和声とフレーズを示す)
しかし その後の ハ短調の和声は 非常に厳しい。少しずつ クレッッシェンドし FFが頂点に。
特に2段目の冒頭の音、Dのアクセント、テヌートであらわしたところは ショパンの中でも哀しみをたたえている和声。
闘っているのか 絶望に瀕しているのか・・・
出だしは「弱い」となっているが 最初の音は響かせなければならない。
コーダのところ へ短調の和声 雷鳴のごとく星が瞬き(上昇)落ちてくるような(下降)。
の後 ハ長調の和声が堂々と波打ち、この曲集を終える。
プロフィール
- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ