数年前、渋谷の松濤にあるスタジオでピアノをレンタルし、レコーディングのデモをした。
11月、「プラハ国際アコーディオンフェスタ」のゲストとして東洋人初の出演となった。アコーディオンとピアノのデュオ。曲は、日本歌曲や、ショパンのチェロソナタ、ピアソラのオブリビオン、中田喜直の「霧と話した」など。そのための音源づくりだった。
「タカギクラヴィア」といえば、整備されたピアノを持ち込みピアニストに最高の状態を提供するとして話題になった。
ピアノという楽器は、ピアニストが状態を選べないため、当日弾きこみながら状態を確認する。ホールによっては、湿度が高い状態にあることや使用頻度が少ないことにより、アクションが鈍っていることなど、一定以上の水準が保たれているとは言い難い場合が増えている。
私の知人でピアニストの彼女は、ホールのピアノの状態がよくなくておまけに弦も切れていてそんな状態で演奏できるか大変不安になった。たまたま、私が工具を持っていて、ホール側に許可をいただいたので簡単な修理をしたことがあったが、それも許さないホールがあるらしい。(ホール側から「何もしないでくれ」といわれ)がっかりした。それを言うなら、事前に状態を確認し、調整しておいていただきたいです。鍵盤のあがらないところのある状態では困ります。
また、調律料をケチって(調律に時間がかかるので、その時間がもったいないと言い、調律をスキップする主催者がいる。実行委員会でそんな事を耳にするのだ。ピアニストをリスペクトしない事が不安だ。)それでほとんどリハーサルの時間を設けなくてピアニストに演奏させる場合があるらしい。あるいは、予算がなくて調律ができなくてそれでも演奏してもらえますか?と半ばごり押ししてくる主催者。先週調律したみたいだから・・・とかね。
最低限のお金は出しましょうよ。音楽が曇ってしまってもいいんですかと。何も、調律だけでない。ペダルのききが悪かったり、音の切れが悪く残響があったり・・・確認もなしで、ゲネプロに突入するのは、あまりに哀しい。そんな会ならピアニストは演奏を拒否してもいいと思っている。
その点、タカギクラヴィアは、調整されたピアノを持ち込みさらに点検をするので、安心感が違う。最近、ラフマニノフ=スタインウェイのピアノでリサイタルをするらしい。
素晴らしい事だ。