白馬大池(2379m)~白馬岳への道~ 蓮華温泉(1475m)から
北アルプス2番目の湖 周囲1㎞ 高山植物の宝庫とクロサンショウウオの生息地でライチョウが見られる事もある。
名峰「白馬岳」(2932m)への中継点で、栂池自然園、白馬岳蓮華温泉から3時間30分。さらに船越ノ頭、雷鳥坂、小蓮華山経由で3時間30分かけ到達する。
白馬岳(2932m)を目指す人が多いが距離20㎞「往復12時間」はかかるので日帰りは難しいかもしれない。もうひとつ、猿倉からの白馬大雪渓コース(片道6時間)があるが、こちらは夏道の落石が怖い。雪解けの時期は落石が起きやすく直径約1mの石が登山者に向かってきて当たると即死。事故が起きている。
標高差 904m コースタイム(休憩込)登り 3時間20分 下り 2時間43分 距離 片道 5㎞ × 2 = 往復 10㎞
少しコアな登山。タフなトレッキングではないが。片道4時間を超える場合、日帰りは慎重に。昼が長い時や、健脚なら早出で可能。
片道3時間を超える登山は、標高差も900mと大きくなるので、ペース配分を十分考えて。
ルートは、A栂池自然園(1840m)経由。B蓮華温泉(1475m)経由で ともに3時間30分。標高差が大きく違うが難易度が増している。
A 栂池自然園からは、変化に富む登山の醍醐味を感じながら進む。「栂池パノラマウェイ」を利用するので別途3000円が必要なのと運行時間内(7時~17時)に限定。
白馬乗鞍岳の大きな岩場を通過しなければならないのは 足腰に負担になる。岩稜帯なら踏み跡らしき道に足を引っかければよい。大きな岩場の場合は、テトラポットのような大岩の隙間に落ちないように足場を慎重に選ぶ必要がある。間違うと足の骨折にもなりかねない。知人が足首の捻挫で何とか帰路に着いたが、全治6か月の大けがだった。
捻挫といっても軽度のものなら何とか歩けるが重度だと杖を使いながら慎重に歩かないとひどくなる。足首を固定する処方と患部を冷やす事が必要でもちろん安静に。人助けを借りようと思わなかったのだろうが、ケガが酷くならないうちに対処すべき。
B 蓮華温泉からは、右側に白馬連峰をみながら樹林帯を進む。登山者専用駐車場無料 ※休日などは混雑する。道幅が狭いので
道中には十分注意する事。国道から20㎞も民家のないところをいききする。落石、対向車に注意。猿と遭遇する事がある(笑)
足ががくがくするような疲労はないが、標高差による気候変化の対応と、睡眠不足が尾をひく。標高差により気圧の変化を体で受け止めるのは相当なものだ。車にペットボトルをおいていればわかるが膨張し下りには破裂している。以前は登山靴をハイカットで登っていたが、足首の甲が痛くなり考えてみた。ミドルカットだと痛くならず、グリップがきく。その分、膝や太もも、腰への影響が気になるところだが、今回は少し左足ふとももに張りが出た程度。あとは、どこまでロングトレイルができるか体と相談だ。
さて、コースは水飲み場が3か所、そのうち1か所が沢渡、梯子が1か所。鎖場はなし。標示が途中まで出ているので励みになるが、天狗の庭以降、白馬大池まで標示がない。それが逆によくかなり長い感じがする。天狗の庭までが2分の1(時間配分)と考えるか、3分の2(標高差配分)と考えるかによっても心理的な気分が大きく変わる。
蓮華温泉 7時20分 黄金の湯分岐 7時24分 水飲み場1 7時25分 水飲み場2 7時30分
標示 1651m 7時55分 1㎞ 標示 1752m 8時13分 1.4㎞ 標示 1925m 8時43分 2㎞
天狗の庭 2093m 9時4分 梯子 9時43分
白馬大池 乗越 10時32分 白馬大池山荘 10時40分
白馬大池分岐 11時47分 梯子 12時24分
天狗の庭 2093m 12時57分
標示 1925m 13時15分 標示 1752m 13時40分 標示 1651m 13時57分
蓮華の森 14時7分 黄金の湯分岐 14時27分 蓮華温泉 14時30分
下界では天気がこの秋一番の晴れだったが、白馬大池付近はガスで真っ白 1時間位いたが晴れる感じがしない。ある人に言わせると、白馬岳のてっぺんだけは晴れていたりするんだよな。まあ、登山というのは頂上が3回に1回くらいしか眺望がよくないぐらいに思っとかないとね。特に2000m~2500mを超えると天気が急変するので。
今回、ルートを確認できただけでもよかった。これで梅雨明けのチングルマの群生をますます見たくなった。三段紅葉も見たいのだが。また登ればよいだけの事。
クロサンショウウオの赤ちゃんが沢山いた。カエルの産卵に似ているようだ。他の動物は見られなかった。ライチョウを見られる機会がそのうちにあるだろう。
このコースは時間が長いだけで 疲労をいかに減らせるかがポイント。次回かその次くらい白馬岳登頂を見据えている。
登山前に参拝を。
最初の水場。この他2ヶ所ある。沢を渡るところが1か所ある。涼しい。
標示板 最近では あと4㎞ これまで1㎞と 距離標示となっている。昔のを見たことがあるが、時間表示ではなかったかな。
あと2時間40分 これまで40分のような。登りと下りでは配分が違うのでこれが正解。標高差約100m間隔で標示されているのは、励みになった。
樹林帯を抜け「天狗の庭」(2093m)この登山の重要なポイント。ここまで1時間40分(ほぼ半分)だが、
標高差では618m登り、あと286mなので【3分の2】を超えてきた。少し大きな岩が増え足場が悪いが一歩ずつ。
絶景ポイント 小蓮華山方面
角度のある坂が数か所あり、梯子が1か所ある。目印として。脇道を進むのだが(笑)
雑草レベルでなく、高山植物が増え空気が澄んでいる。息が白かった。
急に視界が広がった。まもなく白馬大池。どんな感じであらわれるのかな。それが、ものすごく広い平を
約10分ほど歩いて見つける事になる。
私の好きなハイマツ帯、雷鳥がいる可能性が高まる。以前、御嶽山で珍しい「オコジョ」とご対面した事がある。
白馬大池乗越では、息が白く見え気温はあきらかに下がっている。もちろんフリースなどは持ってきているが
船越の頭、白馬乗鞍岳や天狗岩などがガスで見えない。こんな時、ライチョウがあらわれる事がある。
白馬大池山荘へ到着。80ほどのテント張りができる。宿泊としても中規模を誇る。コロナ禍対応で宿泊は事前予約のみ。
小屋の定員制限も実施。徹底している。お昼が少し早かったが温かい麺を食した。体があったまる。(メニューは一部限定されている。)持ってきていたおにぎりが保温できればいいのにな。
外では、テント組がバーナーでコーヒーを沸かしていた。格別だろう。視界は残念ながら11時前なのにガスっていて約1時間くらい強風が吹き荒れる。
池に近づくと何やら泡が湧いている。何だろうと。クロサンショウウオの赤ちゃん。
クロサンショウウオの赤ちゃんが沢山。
凄まじい褶曲の岩盤。何万年も積み重なってできた地層。
お花畑。これが見たかったが草紅葉している。次回は、梅雨明け一番に見に来よう。
さようなら、帰路へ。それにしても、登りの3時間30分は長くはなかった。急登がない分だけ、距離が長くなる。ひたすら樹林帯の道をすすめる。
白馬岳蓮華温泉に着いた。約7時間の登山は終わった。この後、究極の「野天温泉」に驚く。