王滝頂上(2936m)「御嶽山」全面規制解除 2020.8.1 11時52分、この日の登山者は、王滝頂上で黙とうを捧げた。
日本の山岳では、14番目に高い3000m級のアルプス。火山としては、富士山に次いで2番目に高い。日本三霊山(富士山、白山、立山、または御嶽山)として信仰が篤い。長野県と岐阜県にまたがる。広大な山容で、南北3.5㎞にわたる。剣ヶ峰(けんがみね、3067m) 摩利支天山(まりしてんやま、2959m)、継子岳(ままこだけ、2859m)、継母岳(ままははだけ、2867m)の外輪山や三笠山(みかさやま 2256m)など寄生火山からなる。
御嶽山噴火は、有史以来の水蒸気爆発。2014年(平成26年)9月27日11時52分に発生。(平常)の段階で噴火したため、火口付近の登山者ら58名が死亡、行方不明5名、戦後最大の噴火災害となってしまった。亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。「噴火」の意味を再認識することで、今後の対策に活かさねばならない。こちらに当時の状況の記事が心に響きました。噴火のすさまじさと生死の境の事。そして、山で悔やむ事のないようにとの思いが綴られています。
これ以降、ヘルメットをする態勢ができたが、数に限りがあり、本来は自前で用意するところでしょう。私が思うに、一人一人の危機意識が装備にあらわれている。登山者をみると、ヘルメットなしが4割、ヘルメット被りが3割、ヘルメットをザックに装備が3割。森林限界の傾斜地の岩ガレで、ところどころ大きな岩があるところは 噴石を避けるための緊急の場所になる。避難小屋に退避する場合は、ガスや灰が下に充満するので 少し高めのところで呼吸するように。私は、噴火の2週間前にユーチューブ動画を見ていた。火口付近で「火山ガス」が吹き出る映像だった。もちろん、火山ガスが出ているからだと言って即、噴火するとは限らない。また、火山ガスと書いたのは、二酸化硫黄だけでなく硫化水素が含まれる場合があり、呼吸器系に影響を及ぼし中毒で死亡する恐れがある。2011年9月9日~11日、火山性地震を観測したが火山性微動は観測されていなかったというが。昨年、大滝村は王滝頂上にシェルターを設置した。190人ほど収容できるという。現在、活火山は50ほどあるが、安全な登山ができるには危険度に合わせ、立ち入り禁止や一定区域の規制が望ましい。規制されていない区域には避難小屋やシェルターの設置など、自治体や山小屋の主人をはじめ関係者のご尽力に感謝をしながら。
私にとって御嶽山は「神の山」。日本一標高の高いところに五つの池がある。火山特有の硫黄が太陽光の青だけを反射させコバルトブルーの景色を魅せてくれる。常に水があるのは、二の池と三の池。一の池(2990m)最近は、涸れている。二の池(2905m)日本最高の湖沼。噴火後は、面積が少なくなり「2.5池」とも言われている。三の池(2720m)最大の池 周囲700m余 御神水(ごしんすい)とされている。雪解け頃の「ドラゴンアイ、または魔女の瞳」は、神秘そのもの。言葉で表現できない感動。四の池(2690m)高層湿原の中にあり、ある時期にしか現れず「幻の池」とされる。五の池(2790m)残雪期と降水後に水がある小池。
702年、修験道の祖、役行者が開山した。覚明行者(1718-86)により 知られる事となった。信仰の山として 富士山の次に立山、白山と同じくらい信仰が篤い。
濁河温泉《飛騨頂上》や御嶽ロープウェイ経由《黒沢口》や三の池トラバース《開田頂上》も歩いた。まだ、行った事がなかったのが田の原口《王滝頂上》だった。
今回は、田の原口から王滝頂上をめざす。2160m 2936m 標高差 776m 距離 3km × 2 19336歩 725キロカロリー
八合目から九合目がきつい。いつになったら着くのだろう。雄大な山頂が近づいてくる。しかし、驚きはその先にあった。
王滝頂上から見る「八丁ダルミ」は、圧巻。(※現在、災害基本法による立入禁止。)帰り「あかっぱげ」で、ゴルフウェアが似合うご夫婦にあい、お話しいただきながら下った。
【登拝開始】御嶽山神社鳥居(2180m)7時57分 ゲート 8時2分 遥拝所(2190m)8時4分 大江権現(2285m)8時24分 あかっぱげ(2380m)8時57分 金剛童子 (2475m)《森林限界》9時16分 八合目石室(2470m)9時37分 富士見石(2625m)10時2分 一口水(2700m)10時30分 九合目・中央不動(2850m)10時50分 十合目(2936m)11時26分 3時間29分
11時52分 黙とう
【下山開始】十合目 12時21分 九合目 12時49分 一口水 13時3分 富士見石 13時26分 八合目 14時6分 金剛童子 14時23分 あかっぱげ 14時27分
御嶽山神社鳥居 15時39分 3時間18分 【登拝完了】
早朝、猿がお出迎え。エサはあたえないでください。10匹以上の大家族。縄張りであろう。リラックスし、毛づくろいをしている。
九蔵峠からも見たが、田の原口付近の御嶽山は、画面におさまりきれないほど大きい。
この告知板を正しく理解しましょう。
遥拝所から見上げる御嶽山。左側は、大崩れのもの。ほぼ中央上が王滝頂上。
田の原大黒天
金剛童子(2475m)
イワギチョウ
イワウメ
八合目石室(2470m)
富士見石(2625m)
一口水(2700m) 最近は涸れている事が多いときくが、チョロチョロと涌いている。ありがたい水。
ライブカメラが設置されている。
イワツメグサかな
オンタデか。
ようやく九合目石室(2850m)
あと少しと言いたいところだが、標高2800m超え 平地の酸素量の3分の2ほどなので、通常の呼吸をしようと思っていても浅い。20歩ずつ休息をとる感じ。
王滝頂上小屋が見えてきた。
途中、案内板は一切ないので これを見るのは嬉しい限り。
十合目 王滝頂上(2936m)御嶽神社 奥宮の礎。
「八丁ダルミ」には、驚いた。剣ヶ峰頂上をのぞむ。※ここから先は、立入禁止(災害基本法による)
荒々しく殺風景。5分毎に、ガスがたちこめ、晴れたり曇ったり 山の天候。剣ヶ峰にいつか登れる日が来ることを願います。
爆裂火口ではないか。
すごい岩盤。
外輪山の三笠山、あそこから登ってきたんだな。
西南方向に大きな断層というか、大規模な山崩れの跡とでも言おうか。凄まじい地形。
花の百名山としても親しまれている。花が厳しい行を癒してくれる。イワオトギリ。
登拝が完了 登り 3時間29分 下り 3時間18分