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「リラ・クラシック」10/29(土)6:30~ スクリャービン【再】30(日)8:00~


リラ・クラシック」は、クラシック音楽でリラックスする60分。ネットラジオ(PC) http://csra.fm/asx/hasimoto.asx スマホアプリ(TuneIn Radio)。 設定 http://816.fm/?page_id=71

10/29(土)6:30~7:30 スクリャービン【再】30(日)8:00~9:00【曲予定】スクリャービン 幻想曲ロ短調作品28 ピアノ協奏曲嬰ヘ長調作品20 練習曲嬰ハ短調作品42-5 ピアノソナタ第3番嬰ヘ短調作品23 ポロネーズ変ロ短調作品21 交響曲第5番「プロメテウス」~「色光ピアノ(クラヴィエ・ア・リュミエール)」による~

ショパンを敬愛し ピアノの達人となった。作曲もはじめ モスクワ音楽院に入学する。同級生はラフマニノフで しのぎを削った。作曲の特徴は前期と後期に分かれる。

練習曲には 傑作がある。作品42-5 これは ショパン風にいえば 「木枯らしのエチュード」のように思える。ただ アルペジオでなく 重音で綴る ピアニスティックな作品。エフギニーキーシンがよく演奏している。

ピアノソナタ第4番までは前期 これ以降 神秘和音等 詩的な音楽が主になる。もともと スクリャービンは 長大な作品をつくるよりも 少しのモチーフを展開していく作品が多い。時代的にも ピアノソナタが量産される時代は終わっており 単一楽章のソナタや 性格的小品の中に価値を見出していた。ショパンでいえば マズルカが 生涯作曲し続けたが スクリャービンにとっては 前奏曲が 彼の宝石のような世界。

ラフマニノフとは対照的に 華やかな作曲家というよりは、ピアノの真髄を探求する教師であった。ショパンは、ピアノに対する美学を極めた。スクリャービンもまた 音の色 音階の重ね ピアノに対する美学で独自の世界を築き上げた。こちらは、ベヒシュタインのピアノ。

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幻想曲ロ短調作品28 ロマン的であり ロシア的な重厚な響き 「焔は燃えている」 初期の代表的作品。


ポロネーズ変ロ短調 作品21 ショパンのポロネーズ 第5番嬰ヘ短調 や ラフマニノフ 前奏曲ト短調 作品23-5 alla marcia に似た雰囲気を持つ。

練習曲 作品42-5


ピアノ協奏曲嬰ヘ長調 作品20 唯一のピアノ協奏曲 美しい音楽 左手の超絶技巧が効果的。


交響曲第5番 「プロメテウス」 調性が無い 独創的な作品。楽器編成に 「色光ピアノ(クラヴィエ・ア・リュミエール)」 混声四部合唱 ハルモニウム 打楽器等 増4度音程の重なりの神秘和音が使われている。

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ハ調 赤

ト調 オレンジがかったバラ色

ニ調 黄色

イ調 緑色

ホ調 青色、白みがかった

ロ調 ホ調に似ている

嬰ヘ調 青、鮮やかな

変ニ調 スミレ色

変イ調 紫がかったスミレ色

変ホ調 メタリックな光沢を持った金属的な色

変ロ調 ヘ調赤、黒ずんだ

 


スクリャービン「幻想曲」作品28 


スクリャービン 1872-1915 ショパン 1810-1849 とは違う時代に生まれた。
この作品28のファンタジーロ短調  ショパンの幻想曲ヘ短調をどう受け止めたのだろう。

ピアノソナタ第3番と 第4番の間につくられた性格的小品、単一楽章の作品。
唯一のピアノ協奏曲 嬰ヘ長調作品18 の後の作品。
ピアノ協奏曲を書き 形式に沿った作品を書いていたが あふれる詩情からは 自由な形式への憧憬をのぞかせる。

和声を築きながら さらに 左手の動機を 盛り込み 世界をつくっている。このダイナミックな 重音のところ と 美しいメロディ部分の対比が絶妙。

ベートーヴェンは 最後のピアノソナタ32番 第2楽章 ハ長調 の変奏曲 で ファンタジーを表現した。ひとつのテーマを変奏するスタイルで 深く掘り下げていった。調性こそ違うが 何かを感じる。

ラフマニノフのピアノソナタ2番第3楽章に 比肩する作品だと私は思う。
ラフマニノフとスクリャービンはライバルで モスクワ音楽院で しのぎを削った 盟友。

演奏するにも パッションが必要。
長調の 朗々と歌われる息の長い旋律は 憧れと飛翔 対照的に

短調は 情緒豊かで 情熱的に さらに 感情を爆発させているところ ファンタジー。

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ロ短調の主題 左手の3連符 オクターブの下降 右手の5連符 がリズムの特徴

28-3
ニ長調の主題 朗々とうたわれるメロディーは美しい。憧れと飛翔をもって。中声部の和音の支えに注目。

28-4
左手の5連符オクターブのリズム。
重音の連打 左手のバスと中声部のバランスをみて
最強音で激しく爆発、増幅される。ロシアの焔は燃えている。

28-8
その後、大変難しいパッセージが続く。
最後は、壮大に ファンタジーが締めくくられる。


スクリャービン ソナタ第3番「心理状態」


スクリャービン ピアノソナタ第3番 ピアニズムが結晶した。動機のはっきりした作品 構成も明確で わかりやすい。

ピアノソナタは全部で11曲あるが 1、2、3、5、7・・・高い評価をされている。私がいいと思うのは、3番だ。1番もよい。

左手のコサックだけに 難易度が高い。2番は 女性ピアニストがよく演奏している。私は この曲を ホロヴィッツで聴いた。
ホロヴィッツは ロマン的でありながらも 癇癪持ちで 破壊的な音色も出せるパワーピアニスト。

さて、3番の第1楽章 情熱がこもった Drammatico をいう指示 そして「心理状態」
気ままで荒々しい魂が、苦悶や闘争の渦中に投げ込まれるさまを表す。確かに 様々な感情。

すべての感情が「+ - で+になる」とある人が言っていましたね。

「心理状態」難しい言葉のように思えるが 感情の表現の手段を示している。
「知・情・意」のバランスをとるかのように 無意識に私たちは選択している。
例えば、心理状態により色を選択しているようだ・・・

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もうひとつ「思考」の部分。思考は 3次元要素。ベクトルは3方向にあり その交差する値に依っている。
立体思考をおすすめしたい。R(現実)、I(情報)、F(直感)を組み合わせた考え。
これについては 精神科医 香山リカさんの著作本をご参考に。http://www.caravan.to/


 

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スクリャービン 練習曲嬰ハ短調作品42-5


2015年は スクリャービン 没後100年にあたる。ショパンを敬愛し 独自の詩的 幻想的情緒を作品に取り入れた。神秘主義と言われるが それは ピアノソナタ第5番以降になる。それまでは ロマン派を組む 国民音楽派の作風であった。「左手のコサック」として知られ 様々なテクニックを駆使している。その作品群が ピアノソナタ 練習曲 エチュード 前奏曲である。練習曲は ショパンが有名だが リストは「ためいき」など 演奏会用練習曲がある。

練習曲作品42-5 嬰ハ短調は 作品8-12 嬰ニ短調 と傑作の一つに数えられる。左手の跳躍や右手の流麗な旋律の流れ。難しさ故に 感情をこめて演奏したい曲。



2回目のテーマが出てくる。この時の内声の表現が難しい。半音階的で 決して強く弾かれない。流れるように。

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後半の左手の「強打のオクターブ 一番下の段の最低音は A1」。こういう曲があっただろうか。
左手のオクターブが終わり次のステップが。



右手のピアニスティックで 憂愁を帯びた 流麗なメロディーライン。一度目とは違って
繊細にしている。上の段、2小節目。右手の下声の親指や人差指の運指が大切になる。

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左手も右手も勢いを強めていく。特に左手の跳躍が特徴で それを鐘のごとく響かせること。
ショパンの「木枯らしのエチュード」 スクリャービン風とも。


メモリアルイヤー2015 「スクリャービン」


メモリアルは 100年 50年 25年 10年などがある。外国では 4分の1も 区切りの一つと考えるから。スクリャービン(1872 – 1915)が没後100年にあたる今年。 なぜ スクリャービンを聴くのか。

ショパンのようにロマンティシズムを持っていること。激情の迸る作品は、ピアニストを駆り立てる。

ノヴォデヴィチ女子修道院 は「世界遺産」。1524年 モスクワ大公・ヴァシーリー3世の命によって建てられた。その隣にある ノヴォデヴィチ墓地に 多くの著名人が眠っている。アメリカに渡ったラフマニノフは ここに入ることを希望していたが 戦中であり希望がかなわず アメリカに墓地がある。

スクリャービン ショスタコーヴィッチ ツルゲーネフ プロコフィエフ エリツィン大統領 ・・・

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「神秘和音」 スクリャービンの造語である。自分の言葉で 音楽に語りかけている。

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交響曲を5曲作っているが、「法悦の詩」(英語  The Poem of Ecstasy)無調音楽に近づいている。享楽の世界へ 昂揚する音楽。ここで 神秘和音が使われている。

「左手のコサック」として ピアノ演奏技術を達観したスクリャービン。左手のための夜想曲 ノクターンOp.9-2は 安らかでかつ情熱的で 月光のようだ。



舘野泉 Scriabin Nocturne for left hand

ショパンの練習曲(エチュード)を超えるような作品を ライバル ラフマニノフ とともに凌ぎを削った。作品8-12 これを14歳のときに書いたという。ホロヴィッツが好んで弾いた作品。

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後期は神秘的 スクリャービンの考える「色」などが 音に。詩= 「ポエム」が よく登場する。



ポエム ノクターン 作品61 Scriabin – Poème-Nocturne op 61


スクリャービン 練習曲嬰ニ短調op.8-12


スクリャービン 練習曲嬰ニ短調op.8-12

スクリャービンといえば 神秘和音。増音程を重ねて「法悦の詩」を作った。
初期の ピアノ協奏曲嬰へ長調は 神秘和音を使っていない作品で ショパン的で壮麗。
1楽章の大地の哀しみ 2楽章 ロシアの自然 詩的 3楽章 ロシアの舞曲 自然の壮大さ が伝わっていると解釈している。

ピアノソナタも「白ミサ」あたり 変わってきているが ロマン派 国民音楽派 の流れをくんでいると思う。

練習曲嬰ニ短調8-12は 「悲愴」ともいわれ、ロシア帝国の栄華 哀しみを表しているとの事。

ウラディーミル ホロヴィッツが好んでアンコールで弾いた。そして スクリャービン自らもよく弾いたという。すごい迫力。

ところで 左手の1オクターブ4度という音程がでてきて 手の小さい人は演奏が大変かもしれないが そこはテクニックで。




Maria Lettberg performs an Etude Op. 8 No. 12 by Scriabin (alternate version) マリア・レットベリ
論文は「スクリャービンについて」評価を得た。スクリャービンのよき解釈者として 全集を出している。



私は、この曲を手の大きくないピアノの先生が練習しているのを聴いて驚いた。スクリャービンの曲を演奏するのは
「難易度」ではなく、弾く技量があるかどうかが一目瞭然。練習に耐えられるという意味もある。
ドラマチックな調性で音型は、スクリャービンの練習曲の中ではまだ弾きやすい部類に入る。



中間部 右手オクターブと左手の一拍目のオクターブが劇的な和声を醸し出している。
フォルテッシモが出てくるが クライマックスは最終の方にあるので セーブして。



コーダの左手の激情のオクターブの内声として表現したい。軟弱では、すまされない。音楽を伝える情熱がパワーとなりこの曲を生み出したのだから。
スクリャービンは、詩的な早いパッセージの組み合わせの曲想も結構あるのに。
この曲は徹底した「オクターブ」がっしりとした「和音」が積み重なる。その背景を感じとってほしい曲なのである。