御嶽山(3067m)《飛騨頂上 2811m》三ノ池2720m《魔女の瞳》ドラゴンアイ
木曽の御嶽山 おんたけさん 「火山」として富士山に次いで2番目に高い山、霊峰。南北3.5㎞の広い山頂部に、剣ヶ峰を主峰とし、摩利支天山、継子岳などの外輪山。5つの火山湖があり、一ノ池は涸れ池、二の池はさきほどの噴火により火山灰をかぶり、2.5池とも言われている。また四の池は、湿原にある「幻の池」として普段は見られない。五ノ池は、残雪時、降水時に溜まる池。その中で日本一最高地点にある巨大な池「三ノ池」(標高2720m)は周囲700mで神池とも言われる。飛騨頂上(2811m)から急な東斜面を下りたところに広がる。雪解け水、湧き水が絶妙にコントロールされ、水位が一定に保たれている。池を周遊したいが登山道でないために未知の世界である。ドローンでも飛ばそうか(笑)
この日、群馬県や埼玉県の内陸部では6月として史上初の40℃近くの最高気温が記録された。三ノ池の気温は9℃、寒い。天気は、雨後曇り、雷を伴う。アメダスをみると、ピンポイント的に御嶽山付近に雷雲が発生している。何もここだけ雨が降らなくても(笑)。それだけ、山の天気は変わりやすい。3000m級の山なので厳しい。強風が10mでガスがかかりみえない。
午前11時頃、なんと3分間だけ、雲間がとれ、このような絶景の三ノ池が撮れた。6月10日には、ドラゴンアイ「魔女の瞳」であった。ドラゴンアイとは、秋田県八幡平の鏡沼の絶景の事。御嶽山にも景観はある。コバルトブルーは、目をみはるほど美しく、三ノ池に絶景をもたらした。
登山コース:小坂登山口《濁河温泉》標高1780m 飛騨頂上2811m 片道4.2㎞ 往復8.4㎞ 標高差 1031m 往き:3時間40分 帰り:2時間40分。
No.10 ジョーズ岩 湯の花峠(2100m) のぞき岩(2270m) お助け水(2480m) 《森林限界》 飛騨頂上(2811m) 五ノ池小屋(2780m) 三の池(2720m)
新登山道 No.9 前で合流。五の池小屋まで100mおきに標示板がありNo.42まで。迷う事はない。しかし、思ったより長い道のり。しかも3000m級は空気が3分の1の濃度しかなく大きな体の動きができない。高山病はなかったが、平地におりてから、どっと疲れが何ともいえん。眠れないが眠たい。こういうのを高山後の「平地病」とでも言うのかな。3000m級の山岳は下山後、48時間はクールダウンして元に戻していく。
実は、前回登山時にいただいた「ご神水」6年経ったがほとんど腐らない。他の山の水は、一年ほどで苔が生え、底のみが緑色に変色している。(要は微生物が発生しているのだが)三ノ池のご神水は驚異的。(私は、さまざまな山や滝の水をボトルに入れていた)登山中に水飲み場で水分補給をするが、いつの間にか標本になっている(笑)
御嶽山は、登山口を代えながら登っている。私にとっては、厳しい霊峰で修養の山である。どっしりとした山容ととてつもない大きな裾野。簡単に人を近づけさせない山。
2014年9月は、登ろうと思ったのが、あの忘れもしない、27日11時52分の噴火の日の翌日28日に予定をたてていて、27日は乗鞍岳にいたのだ。
痛ましい事件は、言葉では表せない。58名が死亡、5名が行方不明、戦後最悪の火山災害となってしまった。そのため、私は祈る事にした。
2016年7月 飛騨頂上
2018年8月 開田頂上《中の湯経由》※ 三ノ池トラバース オコジョと遭遇
2020年8月 王滝頂上
2022年6月 飛騨頂上
登山ルート 飛騨頂上は前回のを覚えている。暑くて限界に近い状態で登れたが、その時の「三ノ池」が忘れられなくて。
強風がふきあれ 前に進みにくい状態。気温は9℃。ほんとうは「摩利支天」にも登りたかったが難しい。三ノ池の畔におりようと思ったが諦めた。雪渓がびっしりとあり踏み跡がほとんど残ってないしかなり厚みがある。滑落すれば池まで落差60mを落ちる。また、踏み抜きし雪渓の中に嵌って転落するかもしれない。
御嶽百景のひとつ。馬の鞍滝 落差25m
登山道にない道、丘陵地帯。何万年前からそして、これからもこの地形は変わらないだろう。
濁河温泉(にごりごおんせん)標高1800m 日本一の高所にある通年営業の温泉。浅間連峰の「高峰温泉」(標高2000m)などは季節営業だし。
道は1.5車線で舗装されている。しかし、国道筋から入った道の駅「はなもも」から33㎞ 山の中を高度をあげていく道で路面はところどころ段差もありよくない。
ダート道ではないので安心。菖蒲やコスモスなど花がたくさん咲いている。登山口では、虻や虫が多い。車の中に入ってくるので気を付けて。
仙人滝の道は、先端が通行止めとなっている。新登山道は、ナンバープレート1から8までの約900m。苔の森の道が整備されている。ここだけでも充分楽しめる。
七合目
ジョーズの岩
湯の花峠(2100m)その名の通り硫黄の匂いがする。
御嶽山は滝の山だが、雪解け時には、まぼろしの滝がみえる。
蛙岩 無事帰る
のぞき岩(2270m)
避難小屋がある。
お助け水(2480m) 八合目 水はなかった(残念)
森林限界(標高2500m以上)遭難慰霊碑 手を合わせる
標高2600mを超えると 虫もいない。鳥が鳴くだけ。ハイマツだけが植生できる厳しい自然。
雷鳥岩 今日は、雷鳴っていたのでライチョウに会えるかな。
飛騨頂上の手前
飛騨頂上(2811m)
ガスでほとんど見えない。強風が10m、寒い。
三の池 雪渓が残っている。
雪渓のトラバースする道の踏み跡がわずか残っている。かなり堅い雪質で厚みがある。
午前11時までたった1回だけ、空に晴れ間がでた瞬間があった。が、それは、登山者が飛騨頂上を通った時だった。
「晴れましたね」と言ったのも束の間、また薄暗い空になり、強風が吹く。40分くらい佇んだ。もう、諦めて帰ろうかなとしていると
【ある言葉を唱えていた】すると、雲間から空がみえた。その時間、約3分間。私にはそれだけで充分だった。
三ノ池 奇跡の池 これをみるためにやってきた。白馬大池(2300m)も素晴らしいのだが次元が違う。
三の池の東斜面に咲いていた花。強風にめげず、力強い生命力に感動。