第1番 Mein Jesu, der du mich/イエスよ、われを導きたまえ
第2番 Herzliebster Jesu/最愛のイエスよ
第3番 O Welt, ich muss dich lassen/おお世界よ、われ汝より去らざるをえず(1)
第4番 Herzlich tut mich erfreuen/心よりの切なる喜び
第5番 Schmucke dich, o liebe Seele/ああ愛する魂よ。汝を飾れ
第6番 O wie selig seid ihr doch/おお、あなたはなんと至福なのか
第7番 O Gott, du frommer Gott/おお神よ、慈悲深い神よ
第8番 Es ist ein Ros’ entsprungen/一輪の薔薇が咲いて
第9番 Herzlich tut mich verlangen/わが心の切なる願い(1)
第10番 Herzlich tut mich verlangen/わが心の切なる願い(2)
第11番 O Welt, ich muss dich lassen/おお世界よ、われ汝より去らざるをえず(2)
私は、特に1曲目が ブラームスの本意を示していると思う。
第1曲 Mein Jesu, der du mich 「イエスよ、われを導きたまえ」
ブラームスの円熟期から晩年に「諦観」の技法が。つまり、動機を丹念に織りなしてゆく、古典的な手法。地味であるが 情緒が深く刻まれ 聴く人にしみじみと感動を抱かせる。そこに無駄はほとんどなく曲のどこかの素材の音である。また、カノンのように追走し、変容して和声を入念に仕上げている。