マタイ受難曲 第62番コラール「いつか私がこの世を去るとき」


マタイ受難曲第62番コラール Wenn ich einmal soll scheiden「いつか私がこの世を去るとき」
3月5日~4月19日 四旬節に入りました。ヨーロッパ キリスト教圏では、断食し、悔い改め、4月20日のイースターに向けての準備期間となっています。
4月18日に聖金曜日(Good Friday)を迎えます。イースターは、満月の次の日曜日。
バッハもこの時期は、受難節に合わせ、祝祭的な音楽の演奏をやめ慎み深く過ごしたそう。受難節のための音楽を書いている。
マタイ、ヨハネ、マルコ、ルカ受難曲。聖金曜日には、マタイ受難曲やヨハネ受難曲が演奏される。
マタイ受難曲の壮大な3時間に及ぶ音楽。レチタティーヴォ、アリア、コラールがあり、印象的な受難コラールが5回出てくる。
讃美歌では第136番「血しおしたたる」。曲はハンス・レオ・ハスラーの歌曲『わが心は千々に乱れ』から。詞は1607 – 1676 パウル・ゲルハルトによる。
1回目(第15曲)過越の食事の時
2回目(第17曲)信仰告白
3回目(第44曲)イエスが沈黙し、全てを神に委ねる
4回目(第54曲)十字架につけられたイエスが亡くなる直前
5回目(第62曲)イエスが息を引き取った後でしめやかに歌われる。自分自身の死を瞑想する
15 Erkenne mich, mein Hüter われをみとめたまえ
Erkenne mich, mein Hüter, われをみとめたまえ、私のまきびとよ
mein Hirte, nimm mich an! 私の羊飼いよ、私を受け入れてください!
Von dir, Quell aller Güter, すべての宝の泉であるあなたから
ist mir viel Gut’s getan. 私に多くの福音がありました。
Dein Mund hat mich gelabet あなたの口は私を元気にしてくれました、
mit Milch und süßer Kost, 乳とスィーツにより。
dein Geist hat mich begabet あなたの魂は私に与えました、
mit mancher Himmelslust. 多くの天の喜びを。
17 Ich will hier bei dir stehen 私はここに、あなたの側におります
Ich will hier bei dir stehen; 私はここに、あなたの側におります。
verachte mich doch nicht! どうか私を侮らないで下さい!
Von dir will ich nicht gehen, あなたのもとから私は離れません、
wenn dir dein Herze bricht. あなたの心が張り裂ける時も。
Wenn dein Herz wird erblassen あなたの心が、
im letzten Todesstoß, 最後の死の衝撃で蒼ざめる時、
als denn will ich dich fassen 私はあなたをしっかりと抱きましょう、
in meinen Arm und Schoß. 私の腕と膝に。
44 Befiehl du deine Wege 委ねよ、お前は、お前の道と
Befiehl du deine Wege 委ねよ、お前は、お前の道と、
und was dein Herze kränkt お前の心を傷つけていることを、
der allertreusten Pflege 全く誠実なご加護に
des, der den Himmel lenkt. 天をおさめる方の。
Der Wolken, Luft und Winden その方は雲に、空気に、そして風に、
gibt Wege, Lauf und Bahn, 道を与えてくださる。
der wird auch Wege finden, その方が新たな道を見つけてくれるだろう、
da dein Fuß gehen kann. お前の脚が歩むことのできる道を。
54 O Haupt voll Blut und Wunden, おお、血しおにまみれた御頭よ
O Haupt voll Blut und Wunden, おお、血しおにまみれた御頭よ、
voll Schmerz und voller Hohn, 苦痛と、嘲笑に充ちた、
o Haupt, zu Spott gebunden おお、嘲りのために
mit einer Dornenkron’, 茨の冠で縛られた御頭よ、
o Haupt, sonst schön gezieret おお、御頭よ、さもなければ美しく
mit höchster Ehr’ und Zier, 最高の誉れと誇りで飾られていたのに、
jetzt aber hoch schimpfieret, 今や甚だしく辱められた、
gegrüßet seist du mir! 私の心からの言葉を受け入れてください。
62 Wenn ich einmal soll scheiden いつか私がこの世を去る時
Wenn ich einmal soll scheiden, いつか私がこの世を去る時、
so scheide nicht von mir. 私から離れないでください。
Wenn ich den Tod soll leiden, 私が死に苦しまねばならぬ時、
so tritt du dann herfür! その時は、姿を現してください!
Wenn mir am allerbängsten 私が、この上ない不安によって
wird um das Herze sein, 心を包囲されるであろう時、
so reiß mich aus den Ängsten 私を不安から引きはがして下さい!
kraft deiner Angst und Pein! あなたの不安と苦痛の力によって。
プロフィール

- ☆PCPAL代表取締役 日本アコーディオン協会理事 FMはしもとパーソナリティー ピアノテクニシャン なにわシャンソンコンクール審査員 市ボランティアサークル連絡協議会副会長 TOPページへnishikunnのページ
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