谷瀬(たにぜ)の吊橋 熊野川(十津川)を渡した生活用の鉄橋。
紀伊半島のほぼ中央の奈良県十津川村にあり 全国一面積の大きい村で 和歌山県と三重県に隣接している。
電車はもちろんなく 長距離バスが 奈良県五條市と和歌山県新宮市を結んでいる。(五新線)その昔 鉄道を通す計画があった。
「紀伊山地の霊場と参詣道」は、2004年(平成16年)世界遺産に登録された。
6つの道があり、紀伊路(渡辺津 – 田辺)小辺路(高野山 – 熊野三山、約70km)中辺路(田辺 – 熊野三山、約80km)
大辺路(田辺 – 串本 – 熊野三山、約120km)伊勢路(伊勢神宮 – 熊野三山、約160km)大峯奥駈道 (吉野 – 熊野三山、約140km)をさす。
小辺路は、弘法大師によって開かれた密教の聖地である高野山と、熊野三山の熊野本宮大社とを結ぶ道。
奥高野から果無山脈にかけての紀伊山地西部を南北に縦断する。標高1000m台の峠を越えなければならない。
大峯奥駈道とともに険しい道のひとつである。高野山(和歌山県伊都郡高野町)を起点としてすぐに奈良県に入り、吉野郡野迫川村・十津川村を通って柳本(十津川村)で十津川(熊野川)に。果無峠を越えると和歌山県に入り、田辺市本宮町八木尾の下山口にたどり着く。熊野川沿いに国道168号線をたどり中辺路に合流し、熊野本宮大社に至る。
アクセスは、マイカーだと国道168号線、五條市本陣交差点より約1時間。
以前よりバイパスやトンネルなどで拡幅が進み走行しやすくなったのはありがたい。
十津川村に入ってから一部狭いところがあり対向に気をつけて。
さて、「谷瀬の吊橋」(標高355m)。国道168号線沿いに駐車場がある。土産店、食堂があり ちょっとした観光地。架橋される前は、丸木橋があったが、大雨のたびに流された。谷をおり川を渡り 谷を登るしかなかった。
地元の人の出資で、1954年(昭和27年)橋が架けられた。長さ297m 高さ54m 生活用の吊橋としては 日本一の長さである。
監視員がいる。一度に20人までとされているが 揺れ方などみて適時にアナウンスをしている。渡るのは5分くらいかかるだろう。
大自然の空中散歩を楽しめる。
自然に対する畏敬の念や開拓魂、土着愛はここならでは。北海道の空知にある「新十津川町」は、ここ十津川村から入植し開拓した。
また、竹原八幡神社(森山神社ともいう)は、土着愛が成した神社で、境内から少しいくと谷瀬の吊橋を拝む「森山展望台」がある。
竹原八幡神社(森山神社)
「谷瀬の吊橋」森山展望台